「グレートジャーニー」で知られる探検家で医師でもある関野吉晴が始めた「地球永住計画」というプロジェクト。この地球で私たちが生き続けていくためにはどうしたらいいかを考える場だ。そこで出会ったのは、野糞をすることに頑なにこだわり、半世紀に渡る野糞人生を送っている伊沢正名、うんこから生き物と自然のリンクを考察する生態学者の高槻成紀、そして、死体喰いの生き物たちを執拗に観察する絵本作家の舘野鴻の3人。3人の活動を通して、不潔なものとされるうんこと無きモノにされがちな生き物の死体に、「持続可能な未来」のヒントが隠されていた。
第一章は、糞土師の伊沢正名。誰でも野糞ができるように購入したという土地「プープランド」で、うんこがどう自然に還っていくかを観察している。日付と名前を記した割りばしをうんこに刺して土に埋め、小枝で柵を作る。後日掘り返して、形状、色、匂いなどの変化を細かく記録していくのだ。1974年、23歳の時から野糞を始め、以来うんこ一筋50年。そんな糞土師人生に新たな発見が生まれることになる。
第二章は、保全生態学者の高槻成紀の活動について。高槻は、都会の中の限られたささやかな自然にも生き物がつながりをもって生きているという「動植物のリンク」について調査を続けている。中でも、野生動物の保全生態学を専門とする高槻にとって欠かせないのがうんこである。
第三章は、死体喰いのムシの生の営みを観察する舘野鴻。舘野は、徹底した調査を重ね、死体喰いのムシを主人公にした「シデムシ」でデビューした絵本作家。関野はそんな舘野の元に通い、季節の変化と共に死体にどんなムシが訪れるのか、一年を通して調査することになる。
©︎2024「うんこと死体の復権」製作委員会
公開日: 2024年08月02日
うんこと死体の復権
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2024年 /日本 /106分
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公式サイト: https://www.unkotoshitai.com/
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