「MISS OSAKA/ミス・オオサカ」
デンマーク人のイネス(ビクトリア・カルメン・ソンネ)は恋人のノルウェー出張に同行し、大阪から来たマリアと知り合う。2人は親しくなっていくが、マリアは森の中の川べりで突然いなくなってしまう。イネスは大阪に行き、マリアが仕事をしていたナイトクラブで働き始める。 他の誰かになりたいというイネスのアイデンティティーの喪失と発見、その移りようを活写した。ノルウェーの雄大な風景と自然の中の人間、けんそうと人いきれが渦巻く大阪との対比が鮮やかで、競輪場や高架下、路地などにカメラを向け、人を引きつける雑多な街の魅力を切り取った。イネスの内面と映像がじわじわとシンクロしていく描写がすばらしく、一見唐突に見える...