Alice Rohrwacher
1981年12月28日 生まれ
映画監督「夏をゆく人々」(2014年)「幸福なラザロ」(2018年)「墓泥棒と失われた女神」(2023年)
タイパ、コスパ優先が日本の当世流なら、「こんなお話」と一言で説明しにくいアリーチェ・ロルバケル監督の映画は敬遠されそう。しかし、それではあまりにもったいない。楽しくておかしくて冗舌でわい雑、ロマンチックでちょっと悲しい。同じイタリアの巨匠フェリーニ監督に通じる一作。見た人それぞれが、「こんな映画」と味わってほしい。 1980年代、イタリア・トスカーナ地方の小さな町が舞台である。英国人の考古学愛好家アーサー(ジョシュ・オコナー)はダウジングで探し物を見つけ出す特殊な能力を持っていて、古代の墓の盗掘団の一員だった。刑務所から出て足を洗おうとしたのに、待ち受けた仲間に再び引き込まれてしまう。一方彼...
2024.7.19
監督・脚本は、カンヌ国際映画祭で「夏をゆく人々」(2015年)でグランプリ、「幸福なラザロ」(19年)では脚本賞を受賞したアリーチェ・ロルバケル。「パラサイト 半地下の家族」(19年)や「落下の解剖学」(23年)などを世に送り出してきた気鋭のスタジオNEONが北米配給権を獲得したことでも話題になった本作は、第76回カンヌ国際映画祭コンペティション部門に正式出品され、第95回ナショナル・ボード・オブ・レビューでは外国語映画トップ5に選出されている。 80年代のイタリア・トスカーナ地方の田舎町。忘れられない恋人の影を追う考古学愛好家のアーサーは、紀元前に繁栄した古代エトルリア人の墓をなぜか発見で...