やまさき しんぺい
1980年2月23日 生まれ
映像作家、映画監督「なん・なんだ」(2022年)「蒲団」(2024年)「つゆのあとさき」(2024年)
初老の男女の三角関係の話だが、「いい年して」「枯れて」とは正反対。脂っこくて、色気もあり、少年少女のような真っすぐさや恥じらいも見せる。酸いも甘いも知り尽くしても、どうにもできないエネルギッシュな恋物語だ。 三郎(下元史朗)と美智子(烏丸せつこ)はまもなく結婚40年の熟年夫婦。ある日、美智子が交通事故に遭い、意識が戻らない。美智子のカメラには見知らぬ男(佐野和宏)が写っていた。三郎は娘知美(和田光沙)とともに、妻の浮気相手を捜し始める。 浮気が発覚しても、3人のうだうだ、だらだら感は止まらない。すっきりしたらと思ってしまうが、長年積み重ねてきた関係性をそうそう変えることはできない。あまり見...
2022.1.13
永井荷風が1931年に発表した同名小説を原案に、小説の普遍性を踏襲しながらコロナ禍の渋谷に舞台を移し、パパ活で自分の体目当てにしか考えていない男たちを相手に、奔放さと逞しさを持って生き抜こうとする女性たちの青春と友情を描く。監督は、「なん・なんだ」(2022年)や「蒲団」(24年)を手がけ、三島有紀子監督の「一月の声に歓びを刻め」(24年)のプロデュースを務めた山嵜晋平。「ろんぐ・ぐっどばい 探偵古井栗之助」(17年)や「なん・なんだ」、「花腐し」(23年)の中野太が脚本を務めた。 キャバクラで働いていた琴音(高橋ユキノ)は、コロナ禍で仕事もお金もなくなり、行き場を失っていた。そんな時、知り...
トラウマを描いた三つの物語。北海道・洞爺湖のほとりに住むトランスジェンダーのマキは、6歳で死んだ次女を忘れられずにいる。訪ねてきた長女との間にも葛藤を抱えていた。八丈島で牛飼いを営む誠は、妻の延命治療を止めた罪の意識に苦しんでいる。5年ぶりに再会した娘は、妊娠しているが、誠はそのことを聞けずにいる。大阪・堂島では、れいこが元恋人の葬儀に駆けつける。れいこは幼い頃に性暴力被害を受けていて、事件の現場でその記憶と向き合うことになる。 「幼な子われらに生まれ」などの三島有紀子監督が、自身が被害者となった幼少期の性暴力事件を基に構想した。コロナ禍で自身の企画が相次いで中止となる中で過去と向き合い、自...