Jean-Paul Belmondo
1933年4月08日 生まれ
フランスの人気俳優、アラン・ドロンが亡くなった。88歳だった。私はドロンのインタビューをしたことがない。イブ・モンタンには会っているというのに。フランス映画はアメリカ映画に比べ、宣伝にもあまり金をかけず、スターが来日することも少なかった。ただ、会えてはいなかったが、アラン・ドロンは私の中では重要人物だった。 眉間のしわも美しかった 年齢的に近いということがある。私より6歳上ということは、兄貴分と言ってもよい。私が高校生から大学生という映画フリーク時代に「太陽がいっぱい」(ルネ・クレマン監督)は、まぶし過ぎた。ドロンの美男子ぶりは、早逝したジェームス・ディーンを凌駕(りょうが)するほどで、...
野島孝一
2024.8.22
原作小説が初邦訳 2Kレストア版劇場公開 あの「十一時の悪魔」が、とうとう本邦でも陽の目を見るらしい。いまになって。まさか。信じがたい。そう思ったが、そのまさかである。「十一時の悪魔」といえば、ジャンリュック・ゴダール「気狂いピエロ」(1965年)の原作小説として有名ながら、邦訳がなく、まさに名のみ高くして……という状態だった一冊。 著者は、スタンリー・キューブリック監督作「現金に体を張れ」(56年)の原作者としても知られるライオネル・ホワイト。本書の原題は「Obsession(妄執)」で、「十一時の悪魔」という題は、第二次大戦後にフランスのガリマール社より刊行された「セリノワール(暗黒...
髙橋佑弥
2022.4.10
逃亡中の死刑囚がイタリアからフランスへ。妻子連れということもあって行動が荒く、行く先々に死体が積みあがる。 2024年6月15日〜21日の日程で新宿K’s cinema「フィルム・ノワール映画祭<アンコール>」 にて上映。
不自由はないが退屈な結婚生活にうんざりしていたフェルディナン(ジャン・ポール・ベルモンド)は、パーティーで昔の恋人マリアンヌ(アンナ・カリーナ)と再会。彼女の部屋で一夜を明かすと、翌朝部屋に男の死体が転がっていた。逃走した2人は南仏の海岸で暮らし始めるが、マリアンヌが失踪。フェルディナンも追われることになる。さまざまな映画からの引用や斬新な映画技法を駆使して作られた、ヌーベルバーグの代表作。 ©STUDIO CANAL