Jean-Luc Godard
1930年12月02日 生まれ
監督/脚本「気狂いピエロ」(1965年)
「ジャン=リュック・ゴダール」記事件数
自宅から自転車で10分ほど、地下鉄都営新宿線菊川駅そばに、気になる映画館ができた。その名も「Stranger」。 ファストフード店や居酒屋が並ぶ幹線道路の三ツ目通り沿い、おしゃれな外観、居心地良さげなカフェもある。開館特集は先ごろ亡くなったジャンリュック・ゴダール監督、しかも「勝手に逃げろ/人生」「パッション」など6本は1980~90年代に発表され、DVDや配信でもなかなか見られないレア物ぞろい。 Strangerホームページはこちら。 49席と小さいながら、高さ4㍍の大きなスクリーンと、高性能の音響設備も備えている。のぞいてみた休日の上映は若い観客が目立ち、ほぼ満席だった。何だか場...
勝田友巳
2022.10.04
ジャンリュック・ゴダールが死んだ。91歳だった。 テレビや新聞、WEBメディアなどがこぞってその死を報道したため、多くの人の目に触れたと思う。だが、じっさいにゴダールの映画を見たことがある人は(たとえ映画好きであっても)それほど多くないのではないか。 この文章はむしろそうした人たちに届けたいと思って書いている。 「おもしろくない」からこそ「おもしろい」 ゴダールの映画は一般的な意味での「おもしろい」映画ではない。おもしろくないからこそ「おもしろい」タイプの映画である。 「いったい何を言っているんだ?」と思われるかもしれないが、これで意図が通じる人であればこの文章を読む必要...
伊藤弘了
2022.9.20
原作小説が初邦訳 2Kレストア版劇場公開 あの「十一時の悪魔」が、とうとう本邦でも陽の目を見るらしい。いまになって。まさか。信じがたい。そう思ったが、そのまさかである。「十一時の悪魔」といえば、ジャンリュック・ゴダール「気狂いピエロ」(1965年)の原作小説として有名ながら、邦訳がなく、まさに名のみ高くして……という状態だった一冊。 著者は、スタンリー・キューブリック監督作「現金に体を張れ」(56年)の原作者としても知られるライオネル・ホワイト。本書の原題は「Obsession(妄執)」で、「十一時の悪魔」という題は、第二次大戦後にフランスのガリマール社より刊行された「セリノワール(暗黒...
髙橋佑弥
2022.4.10
ゴダールの二番目の妻となるアンヌ・ビアゼムスキーを初めて起用し、夏のバカンスの最中にアパルトマンに集って毛沢東主義をはじめとする新左翼の思潮について勉強会をする若者たちの生態を描いた本作。戯画的なフィクションでありながら、テロリズムによる暴力の是非をめぐる議論が真剣に交わされるなど、翌1968年の五月革命を予見したと言われる作品の限定リバイバル上映。 ©Gaumont...
「中国女」(1967年)の配給権を取得したリーコックとペネベイカーは、ゴダールが各地の大学を訪れる講演旅行を組織する。1968年4月4日、ニューヨーク大学の学生たちと、「中国女」をめぐって議論を交わす映画作家の姿を収めた本作は、当時のアメリカでゴダールが若者にどれほど強い関心を引き起こしていたのかを伝えるドキュメント。日本初公開。 ©Pennebaker Hegedus Films / Jane Balfour Service...
1968年の秋、ゴダールは「1AM」(『ワン・アメリカン・ムービー』)なる企画のため、アメリカ合衆国の反体制的な政治と文化の状況に目を向ける。撮影は、ダイレクト・シネマの旗手リーコックとペネベイカー。しかし、ヌーべル・バーグを牽引した末に商業映画と訣別するに至ったゴダールとの共同作業は編集段階で頓挫してしまう。本作は、ゴダールが放棄したフッテージをペネベイカーが繋ぎ合わせて作った作品。日本初公開。 ©Pennebaker Hegedus Films / Jane Balfour Service...
不自由はないが退屈な結婚生活にうんざりしていたフェルディナン(ジャン・ポール・ベルモンド)は、パーティーで昔の恋人マリアンヌ(アンナ・カリーナ)と再会。彼女の部屋で一夜を明かすと、翌朝部屋に男の死体が転がっていた。逃走した2人は南仏の海岸で暮らし始めるが、マリアンヌが失踪。フェルディナンも追われることになる。さまざまな映画からの引用や斬新な映画技法を駆使して作られた、ヌーベルバーグの代表作。 ©STUDIO CANAL...