Na Hong-jin
映画監督、脚本家「チェイサー」(2008年)監督・脚本「哭声/コクソン」(2016年)監督・脚本「女神の継承」(2021年)原案・プロデュース
韓国がミステリー&スリラージャンルにおいて世界屈指の注目すべき国であることに、異論を挟む人はほとんどいないだろう。筆者にその認識を強烈に印象づけたのは、2000年代に製作された〝3大クライムスリラー〟だった。ポン・ジュノ監督の「殺人の追憶」(03年)、パク・チャヌク監督の「オールド・ボーイ」(03年)、そして今回取り上げるナ・ホンジン監督の「チェイサー」(08年)である。 キーワード「皮肉な人間性の回復」 「オールド・ボーイ」は日本の同名コミックを原作にしているが、それ以外の2作品は実話をベースにしている。「殺人の追憶」は1980年代後半から90年代初頭にかけて発生した華城連続殺...
高橋諭治
2022.12.20
不条理なストーリー展開と恐怖描写が際立っていたオカルト映画「哭声/コクソン」の韓国人監督ナ・ホンジンが、製作・原案を手がけたタイのホラー映画である。とある村で先祖代々、巫女(みこ)の務めを受け継いできた一族が、邪悪な何かによって脅かされていく。 縫製の仕事で生計を立てながら、現役の巫女として村人の悩みに耳を傾ける中年女性ニム(サワニー・ウトーンマ)。そんな彼女のめいで、快活な現代っ子のミン(ナリルヤ・グルモンコルペチ)が奇怪な言動を連発し、ニムは姉ノイから助けを求められるが……。 イサーン地方の田舎で撮影した映像世界は、東南アジアらしいジットリとした空気感からしてハリウッドのホラーとは異質...
2022.7.30
小さな村で暮らす若く美しい女性ミンが、原因不明の体調不良に見舞われ、まるで人格が変わったように凶暴な言動を繰り返すようになる。途方に暮れた母親は、祈祷師である妹のニムに助けを求める。もしやミンは一族の新たな後継者として選ばれて憑依され、その影響でもがき苦しんでいるのではないか…。やがてニムはミンを救うために祈祷を行うが、彼女に取り憑いている〝何者か〟の正体は、ニムの想像をはるかに超える強大な存在だった。 2024年11月23日に東京・シネマート新宿で開催される 「怨念タイホラー カオマンガイナイト!」 で上映。 日本公開:2022年7月29日
2000年代前半の韓国で起こったソウル20人連続殺人事件を題材にしたクライムスリラー。風俗嬢たちを餌食にする快楽殺人鬼ヨンミン(ハ・ジョンウ)と、その存在を突き止めた元刑事のデリヘル店経営者ジュンホ(キム・ユンソク)の激闘を、息づまるチェイスシーン満載で描き出す。 ©2008 Big House / Vantage Holdings. All Rights Reserved.