【最新作「水俣曼荼羅」DVD発売に思う】私には原一男監督が必要だ。作品も、ともに過ごす経験も
結局この場で言ってしまっているが、本当に特別な場合でなければあまり言わない経歴がある。 それはテレビの情報放送番組やドキュメンタリーなどを作る制作プロダクションの企画チーム長を務めたことである。断言するが、自分の「黒歴史」である。理由は簡単だ。本数では数十本に達し、テレビ局の基準には何の問題もなかったが、創作者としては恥ずかしい限り。多種多様な内容だったが、魂を込めて自分の全てをかけて勝負したことがなかった。ただ、その時その時ではやりそうな「アイテム」さえ出せば半分以上は完成し、そこに興味本位の浅い知識を混ぜ合わせ、うまく包装したいいかげんなものを作り出した。食べていく以外に何の目的も価値...
洪相鉉
2023.2.16