ミス・マルクス
経済学者カール・マルクスの末娘エリノア(ロモーラ・ガライ)の波乱に満ちた半生を描いた。エリノアは勝ち気で聡明(そうめい)であり、労働者の職場の環境改善を訴え、「女性は男性の奴隷ではない」と男女平等を唱える活動家。一方で、浪費家で女遊びを繰り返す劇作家の恋人エドワードとの生活に疲れ傷ついていく。 1800年代後半に家庭内での女性の服従や児童労働の残酷さを指摘し、権利向上にまい進するエリノアの先進性に目を見張る。虐げられた女性の権利、束縛や社会的な因習からの解放の主張は古くささなど全くなく、時代を超えて現代に通じるものがある。実生活では政治的信念とは裏腹にエドワードの不実に苦悩し孤独を募らせ痛々...