「そして僕は途方に暮れる」
同居中の彼女(前田敦子)に甘えた毎日を過ごすフリーターの裕一(藤ケ谷太輔)は、浮気を疑われて言い争いになり、家を飛び出す。先輩(毎熊克哉)、友人(中尾明慶)や姉(香里奈)の元をたずね歩き、母(原田美枝子)がひとりで暮らす北海道・苫小牧へ。かつて家族から逃げた父(豊川悦司)とも再会する。 三浦大輔が作・演出を務めた同名の舞台を藤ケ谷との再タッグで映画化。残した朝食も食べ終わった弁当も片付けない、絵に描いたようなダメ人間の裕一を見ていると、イライラが募る。しかし都合の悪い事態に直面すると突如として焦り、逃げ出す姿はどこか可愛らしさも感じさせ、人間という不可思議な生き物をめぐる逃亡劇になっている。...