「ワン・セカンド 永遠の24フレーム」 人間描き輝くチャン・イーモウ:藤原帰一のいつでもシネマ
今回の映画は、「ワン・セカンド」、文化大革命の時代の中国で映画を上映するお話です。でも映画の紹介って、なかなか難しい。見る前に予備知識を提供するとそれだけで見た思いになっちゃって、映画をご覧いただけない可能性がある。筋書きをもっと突っ込んで書き込むと、ネタバレのために見る気を失いかねない。こうなると映画評は映画の敵になってしまいます。 現代中国でギリギリの表現 そこで今回は開き直って、映画の始まりだけちょっとお伝えしましょう。で、この出だし、よくわからないんですね。舞台は砂漠地帯のそばの中国の地方でして、画面に映るのは砂漠ばっかり。そこにえたいの知れない男が、うろうろしている...
藤原帰一
2022.6.06