「侍タイムスリッパー」 あふれ出す時代劇への愛
幕末の京都。会津藩士の高坂新左衛門(山口馬木也)は藩の密命を受けて長州藩士(冨家ノリマサ)と刀を交えるが雷に打たれ気を失う。目を覚ますとそこは現代の時代劇撮影所。剣の腕を頼りに時代劇の斬られ役として生きるが、かつての時代劇の大スターが宿敵の役に高坂を指名する。大スターは高坂が狙った長州藩士だった。 自主製作で挑んだチャンバラ活劇だが、拾い物どころかすこぶる面白い。実直な武士と現代の映画人が生み出す笑いや、立ち回りの緊迫感だけでなく、時代劇への愛がそこかしこからあふれ出す。侍スピリットや個々のキャラクターも分かりやすく描かれた、あっという間の2時間11分だ。山口の実直さ、冨家の哀愁、高坂を助け...