「WALK UP」 人間を肯定するまなざし
映画監督のビョンス(クォン・ヘヒョ)は疎遠だった娘のジョンス(パク・ミソ)を連れて、旧友のインテリアデザイナー、ヘオク(イ・ヘヨン)の家を訪ねる。彼女が所有する地上4階、地下1階のアパートの階を上がるたび、ビョンスと女たちの人間模様が描かれていく。 小さく豊かな作品を撮り続けるホン・サンス監督の長編28作目。酔っ払ったら踏み外してしまいそうな階段を上がって違うフロアに行くと、そこにはもしもあのとき別の選択をしていたら?という妄想の先の物語が広がっている。全て昼間のまどろみのなかで見る夢のようでもあり、今もどこかで繰り広げられている現実のようでもあり。異なる時系列がつながっていくような仕掛けも...