Kwon Hae-hyo
1965年11月05日 生まれ
「A Traveler’s Needs」(2024年)「WALK UP」(2022年)「小説家の映画」(2022年)「あなたの顔の前に」(2021年)「逃げた女」(2020年)「Fukuoka」(2019年)「川沿いのホテル」(2018年)「夜の浜辺でひとり」(2017年)「あなた自身とあなたのこと」(2016年)「3人のアンヌ」(2012年)
ホン・サンス監督作品の常連、クォン・ヘヒョ。新作「WALK UP」でも、他のホン・サンス作品で何度も演じた映画監督にふんしている。物語の全体像を知らされない独特の撮影を「演技のワナから自由になれる」と楽しみながら、モテモテ映画監督には「ホン監督も、私も投影されているのでは」。演技について、地道に取り組む社会活動について聞いた。 物語の前後 分からず撮影に ホン監督とは、「3人のアンヌ」(2012年)以来の付き合い。俳優は完成台本を持たず、撮影当日の朝に、その日の撮影分だけが渡される。途中参加の俳優には、つながりも教えないという。 「その日に撮った分の台本は、全部持ち...
勝田友巳
2024.7.12
映画監督のビョンス(クォン・ヘヒョ)は疎遠だった娘のジョンス(パク・ミソ)を連れて、旧友のインテリアデザイナー、ヘオク(イ・ヘヨン)の家を訪ねる。彼女が所有する地上4階、地下1階のアパートの階を上がるたび、ビョンスと女たちの人間模様が描かれていく。 小さく豊かな作品を撮り続けるホン・サンス監督の長編28作目。酔っ払ったら踏み外してしまいそうな階段を上がって違うフロアに行くと、そこにはもしもあのとき別の選択をしていたら?という妄想の先の物語が広がっている。全て昼間のまどろみのなかで見る夢のようでもあり、今もどこかで繰り広げられている現実のようでもあり。異なる時系列がつながっていくような仕掛けも...
2024.6.28
我が道を行く韓国のホン・サンス監督、その作品群はもはや映画の1ジャンル。大したことは起こらないまま登場人物はたわいないおしゃべりに興じ、酒を飲んでくだを巻く。見終わってなんだこれ、と思う向きも多かろうが、その会話とだらしなさにえも言われぬ味がある。 今作の主人公は、久しく書けない有名小説家のジュニ(イ・ヘヨン)。郊外に住む後輩の書店主(ソ・ヨンファ)を訪ねてきた。案内された観光名所で旧知の映画監督ヒョジン(クォン・ヘヒョ)夫妻に遭遇し、3人で散策していると表舞台から遠のいた有名女優ギルス(キム・ミニ)とばったり出会う。ギルスに誘われて会合に赴くと、そこは後輩の書店だった。参加していた詩人とジ...
2023.6.30
長らくアメリカで暮らし、韓国にいる妹、ジョンオク(チョ・ユニ)を訪ねた元女優のサンオク(イ・ヘヨン)。姉妹はオープンエアのカフェや公園で語り、おいっ子と会ったり、かつて住んでいた場所を訪ねたりするが、サンオクが帰国した理由は明かされない。午後には彼女に出演依頼をしたいという映画監督(クォン・ヘヒョ)と対面する。 韓国の名匠、ホン・サンス監督がベテラン女優とタッグを組んだ、ある一日の物語。時間や命をめぐるドラマチックな題材だが、監督は何気ない景色を背景に死生観をスケッチしていく。見る者を引き込む長回し、たわいない会話劇や反復からテーマを浮かび上がらせるホン・サンス節はそのままに、〝世界の美しさ...
2022.6.24
第74回ベルリン国際映画祭で最新作「A Traveler's Needs」(2024年)が銀熊賞(審査員大賞)を受賞し、同映画祭で通算5度目の銀熊賞を受賞した名匠ホン・サンス監督の日本公開最新作。主人公のビョンスが訪れた インテリアデザイナーの旧友のアパートでの出来事を、階ごとに4つの章立てで描く。 映画監督のビョンスは、インテリア関係の仕事を志望する娘のジョンスと一緒に、インテリアデザイナーとして活躍する旧友ヘオクの所有するアパートを訪れる。そのアパートは1階がレストラン、2階が料理教室、3階が賃貸住宅、4階が芸術家向けのアトリエ、地下がヘオクの作業場になっている。3人は和やかに語り合い...
フランスから来たと言う女性は、生活のため、2人の韓国人女性のフランス語教師となる。裸足で地面を歩いたり、岩の上に寝転ぶのが好きな彼女は、あらゆる瞬間を非言語的な方法で捉え、可能な限り事実に基づいて人生を生きようとしていた。しかし、生活は相変わらず厳しく、マッコリを飲むことでわずかな慰めを得ている。 第74回ベルリン国際映画祭で審査員大賞を受賞。 © 2024 Jeonwonsa Film Co.
人間を宿主として寄生し、全身を支配しようとする正体不明の寄生生物。人間社会に混乱をもたらし始めたこの邪悪な存在の台頭を阻止すべく、人間たちは寄生生物たちとの戦いに身を投じる。 © 2024 Netflix, Inc. Netflixで独占配信中 ※2024年4月現在の情報です。
独自のスタイルと映像表現で、日本でも新たなファンを獲得し続けている名匠ホン・サンス。長編27作目となる本作は、2022年の第72回ベルリン国際映画祭で銀熊賞(審査員大賞)に輝いた注目作。アーティスト、表現者として成功を収めながらも、共に人知れず迷いを抱えた2人の女性が偶然の出会いを通して、人生の新たな可能性に向かって共に歩み出していく姿を映し出し、女性たちのめぐり合い、友愛と連帯の芽生えをほのかな幸福感にくるまれた物語に紡いだ。主演は、ホン・サンス監督の公私にわたるパートナーとして「逃げた女」(2020年)以来の主演となるキム・ミニ。もうひとりの主演に、前作「あなたの顔の前に」(2021年)で...
監督、プロデューサー、脚本は、「虹」で第24回東京国際映画祭アジアの風部門にて最優秀アジア映画賞を受賞したシン・スウォン。本作も第34回東京国際映画祭にて上映され話題を集めた。本作を撮るきっかけとなったのは、韓国初の女性映画監督パク・ナモクと、2人目のホン・ウノンについてのテレビドキュメンタリーを撮り、彼女たちと親交のあった女性編集者と出会ったことだという。悩みながらも映画を撮ることを諦めない主人公ジワンに、監督自身が投影されている。ジワンを演じるのは「パラサイト 半地下の家族」(2019年)の家政婦役をはじめ、「椿の花咲く頃」など、数々のドラマで幅広い役柄を演じ、本作が単独初主演となるイ・ジ...
長くアメリカで暮らしていた元女優のサンオクは久しぶりに帰国し、妹ジョンオクのマンションに身を寄せる。サンオクについて深く知らないと嘆くジョンオクと共に近所のカフェや公園、甥が営んでいるトッポギ店へ赴くサンオク。そして、ぜひ一緒に映画を撮りたいと連絡してきた監督に会うため仁寺洞を訪れるが……。 © 2021 Jeonwonsa Film Co. All Rights Reserved