Kantemir Balagov
1991年7月27日 生まれ
ロシアによるウクライナ侵攻が始まってから5カ月、戦争がどのような破壊と犠牲をもたらしているのか、考えずにはいられません。毎日毎日人々が殺され、負傷し、さらにトラウマ、精神的外傷を加えられてしまう。いたたまれない思いに襲われます。 帰還した女性兵士たち 戦争の傷は映画でも繰り返し描かれてきました。「国境の夜想曲」はシリア内戦後の人々の姿を描いたドキュメンタリーですが、戦闘がほぼ収束した後とはいえ、誰もが戦争のなかで生きることを強いられている。子どもの描く絵にも、人の殺される姿が当たり前のように登場していました。 とはいえ、戦争の傷というと、兵士ではない一般国民の受けた経験が中...
藤原帰一
2022.7.19
1945年、終戦直後のレニングラード。看護師イーヤはPTSDを抱えながら、傷病軍人の病院で働き子どもを育てていた。ある日、イーヤは発作による事故で子どもを死なせてしまう。子どもの母親で戦友のマーシャが戦地から帰還。マーシャは夫が戦死し、負傷で子宮を失い、自分の子どもを産むようイーヤに要求する。 ノーベル賞作家スベトラーナ・アレクシエービッチがソ連の従軍女性の証言を集めた「戦争は女の顔をしていない」を原案に映画化。ソ連は多くの女性が兵士として戦い、イーヤやマーシャのように男たちから虐げられ「現地妻」と蔑視されることもあった。マーシャが緑色のワンピースを着てはしゃぐ姿は、本来なら青春を謳歌(おう...
2022.7.15
第二次世界大戦直後のレニングラード(現在のサンクトぺテルブルク)。PTSDを抱えながら傷病軍人病院で働くイーヤは、戦友マーシャの子どもを預かっていたが、誤って死なせてしまう。帰国したマーシャは、イーヤに子どもを産んでくれと迫る。2人の女性の苦しみに満ちた生きざまを描く。 © Non-Stop Production, LLC, 2019