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2024.6.20
次のピョン・ウソクは誰⁈ ネクストブレークに期待、韓国若手俳優6人の必見作をご紹介!:オンラインの森
韓国ドラマ「ソンジェ背負って走れ」で、ソンジェを演じたピョン・ウソクの人気が急上昇している。彼のように今後さらなるブレークが期待される6人の若手俳優と、それぞれが出演したおすすめのドラマを紹介する。
「スタートアップ:夢の扉」より
ナム・ダルム「スタートアップ:夢の扉」(2020年) Netflixで独占配信中
ペ・スジ、ナム・ジュヒョク、キム・ソンホが共演した「スタートアップ:夢の扉」(20年)は、夢に向かって奮闘する若者たちによる青春ドラマだ。
ナム・ダルムが演じたのは、主人公ダルミ(ペ・スジ)を支えるハン・ジピョン(キム・ソンホ)の学生時代。第1話では、若き日のジピョンにフォーカスが当たるのだが、孤独な青年が、ダルミの祖母との交流やダルミとの文通で心を開いていく様子が丁寧に描かれた。
「花より男子~Boys Over Flowers」(09年)でデビューしたナム・ダルムは、02年生まれの22歳。「ピノキオ」「あなたが眠っている間に」などさまざまなドラマで主人公の幼少期を演じてきたことでも知られる。「スタートアップ:夢の扉」の第1話では、ナム・ダルムが演じたジピョンがあまりに魅力的だったからこそ、ダルミ、ナム・ドサン(ナム・ジュヒョク)、ジピョンの恋の三角関係になる展開では、多くの〝ジピョン派〟が生まれることとなった。
ナム・ダルムは、22年に入隊して23年に除隊と兵役を終えている。「アンナラスマナラ -魔法の旋律-」(22年)以来ドラマ出演はないが、これからどんな俳優となっていくのか興味深い。
「ソンジェ背負って走れ」のソン・ゴニ © CJ ENM Studios Co., Ltd.
ソン・ゴニ「ソンジェ背負って走れ」(24年) U-NEXTで独占配信中
ピョン・ウソクをブレークに導いた「ソンジェ背負って走れ」で、恋のライバル、キム・テソンを演じたのがソン・ゴニ。過去と未来を行き来するヒロインのソル(キム・へユン)が、〝元カレ〟として出会うテソンは、ワルい雰囲気を醸し出す学校一のモテ男で、ソルによって人生が大きく変わるキャラクターだ。ソンジェが常にライバル視をしており、ソルを巡って2人が意地の張り合いをする姿は笑いを誘った。
韓国のウェブ小説が原作の本作だが、実はテソンはドラマオリジナルのキャラクター。本命のソンジェが嫉妬してしまう恋敵をソン・ゴニが好演した。
1997年生まれ、26歳のソン・ゴニは、日本でリメークされることでも話題の「SKYキャッスル 上流階級の妻たち」や、「ノクドゥ伝~花に降る月明り~」「ミッシング~彼らがいた~」「スノードロップ」といったドラマに出演。「ソンジェ背負って走れ」でブレークの兆しを見せている。
「シュルプ」のムン・サンミン
ムン・サンミン「シュルプ」(22年) Netflixで独占配信中
数々のヒット作で知られるキム・ヘスが主演を務めた宮廷時代劇。王妃ファリョン(キム・ヘス)が、問題を起こしまくる息子たちのために奮闘するのだが、姑(しゅうとめ)やライバルの側室とその息子たちがあの手この手でファリョンと息子たちを陥れようとする。ムン・サンミンが演じたのは、一番の問題児だが、母親と兄思いで熱い一面があるソンナム大君だ。
負けず嫌いなファリョンが文字通り奔走する本作は、韓国国内で最高視聴率16.9%とヒット。王の素質を持つ者として頭角を現し始めるソンナム大君は、準主役といっても過言ではなく、演じたムン・サンミンも作品と共に注目度が上がった。
00年生まれのムン・サンミンは、身長190cmと長身。これまで「クリスマスが嫌いな4つの理由」(19年)、「マイネーム:偽りと復讐」(21年)、「ウエディング・インポッシブル」(24年)などに出演し、24年5月からは音楽番組「ミュージックバンク」で司会を務めている。韓国で音楽番組の司会は、新人俳優にとって人気俳優の登竜門的なポジションであり、業界内での注目度も高いようだ。
「イルタ・スキャンダル ~恋は特訓コースで~」より
イ・チェミン「イルタ・スキャンダル 〜恋は特訓コースで~」(23年) Netflixで独占配信中
トラウマを抱えるカリスマ塾講師チェ・チヨル(チョン・ギョンホ)が、高校生のヘイ(ノ・ユンソ)のために教育ママになることを決意したナム・ヘンソン(チョン・ドヨン)と出会い、お互いの人生を変えていく物語。イ・チェミンは、ヘイの同級生で彼女に思いをよせるイ・ソンジェ役を担った。
チヨルとヘンソンが反発しながらもひかれていく恋を描くなか、大人たちに振り回されながらも懸命に勉強に励むヘイやソンジェたちの青春ドラマも見どころの本作。イ・チェミンふんするソンジェは、学校ではヘイに急接近するソ・ゴヌ(イ・ミンジェ)に焦りを覚え、家では教育熱心すぎる母親や引きこもりの兄ヒジェなど家族の問題に悩まされる人物だ。
高校生のほほえましい嫉妬や、家庭のリアルな悩みを等身大に演じたイ・チェミンは、00年生まれの23歳。音楽番組「ミュージックバンク」の司会を1年7カ月担当し(後任がムン・サンミン)、6月に配信されたばかりの「ヒエラルキー」では若手俳優が多数出演するなか主演を務めるなど勢いにのっている。
「流れ星」のキム・ヨンデ
キム・ヨンデ「流れ星」(21年) U-NEXTで独占配信中
人気俳優コン・テソン(キム・ヨンデ)と、人気俳優を陰で支える芸能事務所の社員オ・ハンビョル(イ・ソンギョン)によるラブコメディー。俺様なテソンと、彼に振り回されるハンビョルが不器用な恋を繰り広げる。
韓国の芸能界の裏側をのぞき見しているかのような気分になる本作は、スキャンダルやうその情報で翻弄(ほんろう)されるハンビョルたちの苦労の日々がユーモラスに描かれる。トップスター役に説得力を持たせたキム・ヨンデは、本編で鍛え上げた肉体美も披露していた。
1996年生まれ28歳のキム・ヨンデは、17年ごろから俳優活動をスタートさせ、キム・へユン主演の「偶然見つけたハル」、韓国で社会現象となった「ペントハウス」と着実にキャリアを積み、22年の「禁婚令、朝鮮婚姻禁止令」では主演を務めた。また、NHK Eテレの「ハングルッ!ナビ」のスキットドラマへの出演でも知られる。
「ラケット少年団」のキム・ミンギ
キム・ミンギ「ラケット少年団」(21年) Netflixで独占配信中
都会から田舎に引っ越した少年へガン(タン・ジュンサン)が、転校先の中学のバドミントン部で仲間たちと勝利を目指す、心温まる青春ドラマ。バドミントン部に入部することになる、区議長の息子で成績優秀なチョン・インソルをキム・ミンギが演じた。
キム・ミンギは、02年生まれの21歳。バドミントン部に自分の意思で入部する真面目なインソル役が印象的だったが、「女神降臨」(20年)でヒロインの弟、「シュルプ」(22年)のボゴム君では、お調子者で憎めない役柄でギャップを見せている。どの作品もメインで出ずっぱりというわけではないけれど、どの作品もしっかりと記憶に残る演技を見せている。
なお、バドミントン部の部員を演じたのは、「愛の不時着」のタン・ジュンサン、「二十五、二十一」のチェ・ヒョヌク、「あやしいパートナー」のソン・サンヨン、「椿の花咲く頃」のキム・ガンフンと、これからの活躍が期待される俳優たちがそろっていた。