ターコイズの空の下で (C) TURQUOISE SKY FILM PARTNERS / IFI PRODUCTION / KTRFILMS

ターコイズの空の下で (C) TURQUOISE SKY FILM PARTNERS / IFI PRODUCTION / KTRFILMS

2021.2.25

ターコイズの空の下で

毎週公開される新作映画、どれを見るべきか? 見ざるべきか? 毎日新聞に執筆する記者、ライターが一刀両断。褒めてばかりではありません。時には愛あるダメ出しも。複数の筆者が、それぞれの視点から鋭く評します。筆者は、勝田友巳(勝)、高橋諭治(諭)、細谷美香(細)、鈴木隆(鈴)、山口久美子(久)、倉田陶子(倉)、渡辺浩(渡)、木村光則(光)。

タケシ(柳楽優弥)は裕福で道楽ざんまいの生活を送っていた。実業家の祖父三郎(麿赤兒)は、戦後に捕虜としてモンゴルに抑留されていた時に現地の女性との間に生まれた娘を捜すため、モンゴル人の馬泥棒アムラ(アムラ・バルジンヤム)をガイドに、タケシを旅立たせる。

物語を語っていくというより、大自然の中で異文化に触れていく青年の姿を断片的に描く。セリフは最小限に抑え、言葉が通じない中から生まれる人同士のコミュニケーションの面白さを映し出す。エピソードや展開は唐突で首をひねることもあるが、KENTARO監督はお構いなし。モンゴルの大地を8Kによる壮大な映像でとらえた風景は圧倒的。タイトル通り、空の色の美しさ、広さに魅了される。人々の暮らしや生活スタイル、食事、馬や羊など動物たちの群れにもカメラを向け、モンゴルの魅力を前面に打ち出すことに力点を置いた。結果的にファンタジーの色合いも感じられる作品になった。1時間35分。東京・新宿ピカデリー、大阪・シネ・リーブル梅田(3月12日から)ほか。(鈴)

異論あり

わい雑な東京から広漠としたモンゴルへの展開や、意匠に凝ったカット、多くを示さない語り口には意欲を感じる。しかし、バディーもの、ロードムービーの強固な枠組みは、スタイルだけでは打ち破れない。物語や登場人物の心情は置き去りにされ、どことなく空々しい。(勝)

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