©2022「さかなのこ」製作委員会

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2022.8.25

さかなクンがさかなクンになるまでの、すっギョいお話「さかなのこ」

誰になんと言われようと、好きなものは好き。作品、俳優、監督、スタッフ……。ファン、オタクを自認する執筆陣が、映画にまつわる「わたしの推し」と「ワタシのこと」を、熱量高くつづります。

和合由依

和合由依

みなさんは「熱中しすぎて時間を忘れてしまう!」くらい、好きなことやものはありますか?
「さかなのこ」(毎日新聞社など製作委員会)は、誰もが知るお魚博士、さかなクンが現在に至るまでをお話にした映画です。「さかなクンの一魚一会(いちギョいちえ)〜まいにち夢中な人生!〜」(講談社刊)が原作になっています。著者はもちろんさかなクンです。
 


 

悩んでも、その先に待つハッピーを目指して

「さかなのこ」の主人公は、お魚が大好きなミー坊(のんさん)。
大好きなお魚の絵を描いたり、水族館に行ったり、図鑑を見ることが大好きです。
 
この映画では、ミー坊が小学生の頃から30代に入るまでのストーリーが描かれています。
お魚が好きすぎて、学校では休み時間になると、よくお魚の絵を描いていたミー坊。周りの友達と趣味が違ったため、「普通じゃない」とからかわれることもありました。そんな中でも、母ミチコ(井川遥さん)はいつもミー坊の味方でいました。お魚が大好きで、その知識は誰にも負けないミー坊ですが、勉強はまったくできませんでした。大人になっても、なかなか理想としていたものになれない。仕事も自分に合うものが見つからない。そんな日々が続いていました。
 
そんなとき、高校生時代の友達だった仲間と再会します。ミー坊の影響でお魚が大好きになり、すし屋になった友達など、ミー坊の魅力に吸い込まれた人たちが出てきます。
ミー坊は、知らないうちに周りに影響を与えていたのです。
今までは「好き」を生かせなかったこともあったミー坊ですが、ずっと「好き」を追い続けてきたから、今も、「好き」なことを続けることができています。
今までうまくいかないこともあったけれども、ミー坊の才能がたくさんの人たちから評価されます。大好きな「お魚さん」を追い続けてきたから、今ではお魚博士でもあるし、お魚のイラストレーターでもあるし、子供の人気者でもあります。
 
「好き」を追い続けることは、時に苦戦することもあるはずです。
でも、それを超えた先に最高にハッピーな時間が待っています。
 
そんなことをミー坊は伝えてくれたように感じます。
 
「好き」なことをする人たちは、本当にいつも楽しそうです。
作業をしているときが一番輝いています。
 

男の子を、のんさんが演じる世界観が◎!

ミー坊を演じているのはのんさんですが、実際のところ、物語の主人公の設定は男の子です。今の時代、「ジェンダー」という言葉をよく耳にしますが、そんな「性」の魅力についても語っているのが本作だと思っています。
 
なんとなく、女性だから。男性だから。という、異性によって分けられる特徴といったものがあるかもしれませんが、ミー坊を演じるのは女性ののんさん。「さかなのこ」を見ていると、ときどき、ミー坊の設定は男の子なのだということを思い出すことがありますが、演じているのがのんさんだからこそ、ミー坊の繊細なところまで描けているような気がしました。
 
異性だから面白いというか、異性だからこそ惹(ひ)かれるところがありました。「好き」に性は関係ないのだということを伝えてくれました。本作を見ていて、「だからミー坊をのんさんにしたのか」と、納得できる部分がたくさんありました。
 
女の子のミー坊、とってもよかったです。
 
この映画を見ていて、ミー坊とのんさんは似ているところがあるなと思いました。好きなことを追い続けていることが2人の共通点なのではないでしょうか。すごく、のんさんがミー坊に似合っているように見えました。
 
ミー坊の世界観が、こちらにもしっかり伝わってきました。


 

「好き」を持つ、すべての人に見てほしい

また、「さかなのこ」に出てくるお魚の中には、さかなクンが飼っているお魚たちも登場していました。私が特に好きなのは、イシガキフグちゃんです。さかなクンがやっているYouTube「さかなクンちゃんねる」にもよく登場するお魚です。彼もお気に入りの子なのだそうです。目がクリッとしていて、とってもかわいいです。
 
また、映画の中に出てくるミー坊が過ごした高校は、さかなクンが通っていた母校なのだそうです。沖田修一監督は、「理科室には当時さかなクンが描いたお魚のイラストが残っていた」とおっしゃっていました。
自分も見てみたいです。
ミー坊は、お魚が大好きな「さかなのこ」です。
沖田監督はこの映画を「さかなクンの映画であってさかなクンの映画ではない」と語っていました。「確かに。さかなクンのお話だけれども、誰にでも当てはまる」と思いました。ミー坊はお魚好き。けど、世の中にはたくさんの「好き」を持っている「うたのこ」や、「きょうりゅうのこ」がいるではないか、と。
 
「さかなのこ」を見た私は、いつも「好き」に真っすぐなミー坊から元気をもらいました。
 
ぜひ、みなさんも映画館でミー坊と一緒に広い海へ出かけてみてください。
ミー坊、最高でギョざいます!!

9月1日(木)よりTOHOシネマズ 日比谷 ほかにて全国ロードショー。

さかなのこ

お魚が大好きな小学生“ミー坊”は、寝ても覚めてもお魚のことばかり。お魚を、毎日見つめて、毎日描いて、毎日食べて。他の子供と少し違うことを心配する父親とは対照的に、母親はミー坊を信じて応援し、背中を押し続けるのだった。高校生になり相変わらずお魚に夢中のミー坊は、町の不良ともなぜか仲良し、まるで何かの主人公のようにいつの間にか中心にいる。やがて1 人暮らしを始めたミー坊は、思いがけない出会いや再会の中で、たくさんの人に愛されながら、ミー坊だけが進むことのできるただ一つの道にまっすぐに飛び込んで行くーー。

ライター
和合由依

和合由依

2008年1月10日生まれ。東京2020パラリンピック開会式では、これまで演技経験がなかったものの、片翼の小さな飛行機役を演じ切り、世界中の人々に勇気と感動を与えた。羊膜索症候群、関節拘縮症による上肢下肢の機能障害を抱える。中学校では吹奏楽部に所属しユーフォニアムを担当。趣味は映画鑑賞のほか歌や絵画。2021年毎日スポーツ人賞文化賞を受賞。

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