映画賭ケグルイ絶体絶命ロシアンルーレット ©河本ほむら・尚村透/SQUARE ENIX ©2021 「映画 賭ケグルイ2」製作委員会

映画賭ケグルイ絶体絶命ロシアンルーレット ©河本ほむら・尚村透/SQUARE ENIX ©2021 「映画 賭ケグルイ2」製作委員会

2021.4.29

賭ケグルイ 絶体絶命ロシアンルーレット

毎週公開される新作映画、どれを見るべきか? 見ざるべきか? 毎日新聞に執筆する記者、ライターが一刀両断。褒めてばかりではありません。時には愛あるダメ出しも。複数の筆者が、それぞれの視点から鋭く評します。筆者は、勝田友巳(勝)、高橋諭治(諭)、細谷美香(細)、鈴木隆(鈴)、山口久美子(久)、倉田陶子(倉)、渡辺浩(渡)、木村光則(光)、屋代尚則(屋)、坂本高志(坂)。

ギャンブルの強さで生徒の階級が決まる名門・私立百花王学園。最狂の賭け狂い、蛇喰夢子(浜辺美波)の脅威に、生徒会は危機感を募らせていた。そこに、2年前の事件で停学処分を受け学園を追われていた視鬼神真玄(藤井流星)が現れる。視鬼神の毒牙は、早乙女芽亜里(森川葵)を家畜に陥れ、夢子や生徒会長の桃喰綺羅莉(池田エライザ)に迫っていく。

映画化第2弾。スリルとおどろおどろしさをパワーアップし、コメディーをまぶした学園もの。大げさな演技と、赤と黒を基調としたものものしさたっぷりのギャンブル会場で世界観を構築。浜辺や池田のギャンブラーぶりはクールでかっこいいのだが、それに引き換え、トリックや脅迫を駆使して勝負に挑む視鬼神ら男たちの情けなさや大騒ぎぶりが鮮明になった。家畜という名の奴隷や、カードだけで爆発が起こるなど、現実離れした荒唐無稽(むけい)さもここまで徹底すれば爽快感を呼び起こす。英勉監督。1時間59分。東京・TOHOシネマズ日比谷、大阪・TOHOシネマズ梅田ほかで近日公開。(鈴)

異論あり

 マンガ以上にマンガ的で荒唐無稽な映像を受け入れ、1回ごとに複雑な賭けのルールを聞きながら勝負を見守らなければならないから、蛇喰初心者は戸惑うかも。ドラマを受けて映画版が2本目、さらに続くようだから、追いつくなら今のうちに。全部心得て見れば、結構いける。(勝)