「マッドマックス:フュリオサ」より ©️2024 Warner Bros.Ent. All Rights Reserved

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2024.5.30

地元オーストラリアで大盛り上がり! 「マッドマックス:フュリオサ」メルボルン鑑賞記

1979年に公開された「マッドマックス」は、その大胆な世界観と斬新なアクションでカルト映画の金字塔となりました。3部作でいったん幕を閉じながら、30年を経て奇跡的復活、スケールを拡大して世界を席巻しています。第1作から最新作「フュリオサ」まで、シリーズの全体像と影響を振り返ります。

梅山富美子

梅山富美子

〝オーストラリア映画〟で最多となるアカデミー賞6部門を受賞した「マッドマックス 怒りのデス・ロード」(2015年)の前日譚(たん)となる映画「マッドマックス:フュリオサ」が、アメリカや日本に先駆けて、撮影地であるオーストラリアで23日に公開された(日本は31日公開)。現在住んでいるオーストラリアで、初日に鑑賞した様子を紹介する。
 


「マッドマックス 怒りのデス・ロード」で人気、フュリオサの原点を描く

「マッドマックス」シリーズは、オーストラリア出身の鬼才ジョージ・ミラー監督による、荒廃した近未来を舞台にしたバイオレンス映画。主人公のマックスが、無法者と戦い、激しいカーアクションを繰り広げる。5作目となる「フュリオサ」は、「怒りのデス・ロード」に登場した戦士フュリオサの原点を描く。
 
同シリーズは、映画の舞台であるオーストラリアで撮影が行われてきた(「怒りのデス・ロード」は記録的な大雨により撮影地がアフリカのナミビアとなったという経緯がある)。どこまでも続く乾いた大地が印象深い「フュリオサ」のロケ地も、もちろんオーストラリアだ。22年にロケ撮影が豪ニューサウスウェールズ州で実施され、同州は製作費を支援。オーストラリアでは最大規模の撮影になったという。
 
オーストラリアは、日本の20倍という広大な土地ではあるものの、都市部に人口が集中。内陸部は、降水率が低く砂漠に近い気候が広範囲に及び、住むには厳しいが、その環境こそが「マッドマックス」の世界なのだ。
 
ロケ地がオーストラリアなだけではない。ミラー監督のほか、スタッフや、ディメンタス将軍役のクリス・ヘムズワース、メリー・ジャバサ役のチャーリー・フレイザー、オーガニック・メカニック役のアンガス・サンプソン、イモータン・ジョー役のラッキー・ヒューム、リクタス役のネイサン・ジョーンズと多くのキャストがオーストラリア出身なのである。
 
そんな〝オーストラリア映画〟である「フュリオサ」のプレミア上映が行われたのは、ニューサウスウェールズ州にあるシドニー。主演でありフュリオサ役のアニャ・テイラー=ジョイや、クリス・ヘムズワースが登場し大きな盛り上がりを見せていた。
 

(左上から時計回り)メルボルンの町に掲出された広告、劇場での観客たち、メルボルンのサザンクロス駅、駅構内=梅山富美子撮影

メルボルンは駅や劇場などで「フュリオサ」ジャック!

そして、筆者が住むシドニーから離れたメルボルン市内でも、公開前からさまざまなところで広告を見かけた。ターミナル駅・サザンクロス駅では大々的に宣伝しており、街ではトラム(路面電車)のラッピング車が走っていた。日本では、街のいたるところで広告を目にするが、オーストラリアでは日本ほど広告を目にすることがないので「フュリオサ」はかなり力を入れているように感じた。
 
本作を鑑賞したのは、世界で2番目に大きい、高さ23メートル、幅32メートルのIMAXシアターがあるIMAXメルボルン。公開初日には、建物の前に1作目「マッドマックス」(79年)に登場したインターセプター、メインフォース・パトロールのパトカーとバイクが並び、多くの人が記念に撮影して盛り上がっていた。館内も、階段やエレベーターなどが「フュリオサ」仕様と、かなり力が入っていた。
 
映画を見に来た人の中には、「マッドマックス」のTシャツを着た人がいたり、1作目のマックスに似た革ジャンを着た人などもちらほら。客席に着くと席は8〜9割埋まっており、観客の年齢層は幅広く、やや男性が多かった印象だ。
 

見どころはもちろんアクション! 笑える要素も

いざ上映が始まると、ミラー監督が新たに放つ「マッドマックス」サーガを一瞬たりとも見逃すまいという緊張感にも似たような雰囲気が漂っていたが、崩壊した世界で起こる不謹慎な狂気に笑いが起こり、クリス・ヘムズワース演じるディメンタス将軍のイカれたキャラっぷりには笑いをこらえ切れない人が続出。身につけているクマのぬいぐるみも、着ている服も、乗っているグラディエーター風の改造バイクも全てがおかしく見えてくるから不思議で、隣の席の人は何度も噴き出していた。
 
前半は物語をじっくり進めている印象で、「怒りのデス・ロード」ほどの殺伐さと序盤からのぶっ飛び具合はなかったのだが、食料も資源も枯渇しておらず、覇権を争う余裕もあった頃だと考えると納得がいく。また、舞台がオーストラリアであるとはっきりと示すシーンもあった。
 
中盤から後半にかけては、これぞ「マッドマックス」の世界といった弩級(どきゅう)のアクションが見どころ。アクションからの急な沈黙のシーンで、物を落とした人が周囲に2人ほどおり、「Oops(やってしまった……)」といった声にならない声が漏れていた。ほかにも、イモータン・ジョーといった「怒りのデス・ロード」のキャラクターの登場には、ところどころで驚きの声が上がっていた。
 
キャストそれぞれが素晴らしかったが、警護隊長ジャック役のトム・バークの存在が一際光った。ずば抜けた運転技術と優れた銃の使い手であるジャックは、敵の襲撃にも冷静で寡黙に仕事をこなすチートキャラ。アニャ・テイラー=ジョイとの相性も良く、もっとフュリオサとジャックの活躍をスクリーンで見たいと思わせる。これから映画やドラマでブレイクしそうな予感がした。
 
なお、上映後には、どこからともなく拍手が起こったのだが、これはメルボルンで初めての体験だった。ちなみに、海外の映画館あるあるで、スタッフロールが始まるとシアター内の明かりがついた。ほとんどの人はその時点で帰ってしまうのだが、本作は最後まで残っていたのは15人ほどで普段よりかなり多い印象だった。

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ライター
梅山富美子

梅山富美子

うめやま・ふみこ ライター。1992年生まれ。日本大学芸術学部映画学科卒業後、映像制作会社(プロダクション・マネージャー)を経験。映画情報サイト「シネマトゥデイ」元編集部。映画、海外ドラマ、洋楽(特に80年代)をこよなく愛し、韓ドラは2020年以降どハマり。

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