「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」 © 2022 20th Century Studios. All Rights Reserved.

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2022.12.23

この1本:「アバター ウェイ・オブ・ウォーター」 豪華で厳かに続く物語

毎週公開される新作映画、どれを見るべきか? 見ざるべきか? 毎日新聞に執筆する記者、ライターが一刀両断。褒めてばかりではありません。時には愛あるダメ出しも。複数の筆者が、それぞれの視点から鋭く評します。筆者は、勝田友巳(勝)、高橋諭治(諭)、細谷美香(細)、鈴木隆(鈴)、山口久美子(久)、倉田陶子(倉)、渡辺浩(渡)、木村光則(光)。

「アバター」がデジタル3Dの映像で世界を驚かせ、興行世界記録を樹立したのが2009年。ジェームズ・キャメロン監督が技術をさらに進歩させ、自ら創出した惑星パンドラの世界を押し広げた。続編4作を一気に製作し、「ウェイ・オブ・ウォーター」は第2作という。今度は水の国が舞台である。

パンドラの種族ナヴィとしてよみがえったジェイク(サム・ワーシントン)は、ナヴィの女性ネイティリ(ゾーイ・サルダナ)と子どもたちと暮らし、族長として森の民を率いていた。地球人が再び襲来し、人造ナヴィとして再生した宿敵クオリッチ(スティーブン・ラング)がジェイクを狙う。ジェイクは家族とともに、海の民の元に身を隠す。

パンドラの映像には目を奪われる。役者の動きをデジタル化して加工するモーションキャプチャーの技術は格段に精度が上がり、水中の動きやナヴィの肌の質感も実写のごとし。CGの動植物が人間の俳優と共演して違和感がない。陸海空の戦闘場面も迫力満点。豪華さは前作以上だろう。

一方で、実存的な主題をうかがわせた前作と比べ、物語はオーソドックスに回帰した。ジェイクを中心に結束した家族が難局に立ち向かう。先住民が横暴な侵略者に抵抗し、ジェイクとクオリッチの因縁の決闘にいたる展開は典型的な西部劇。前作から流れる自然対人間の相克も、最近のハリウッドでは定番だ。

父権主義的な家族像や好戦的な展開はいささか旧態依然だが、物語はまだまだ続く。このままでは終わるまい。パンドラの自然と一体となる力を持ったジェイクの養女キリら、あちこちに張られた伏線が生きてくるだろうし、他の面々もさらなる活躍の場が用意されているに違いない。

と期待しつつ、アバター3を待つことにしよう。3時間12分。東京・TOHOシネマズ日比谷、大阪・TOHOシネマズ梅田ほかで公開中。(勝)

異論あり

3Dの映像はどこを切り取っても美しくスケールが大きい。音響を含め設備の整った映画館で見るべき作品。この世の楽園のようなパンドラでも戦いから逃れられないことが、欲にまみれた人類の醜さを象徴していた。ただ、敵の描き方や家族のために立ち上がる主人公という設定は、かなりベタ。ジェイクが「父親は家族を守るもの」と固定観念にとらわれすぎていることに違和感があり、家族が一致団結して戦う展開に新鮮味はなかった。心情面でいうと、憎たらしさ満点のクオリッチが一瞬だけ見せる葛藤が一番リアルだったかも。(倉)

異論あり

映像のクオリティーには目を見張るが、脚本は期待外れ。野蛮な侵略者の人間に、自然を愛するナヴィの民が立ち向かう展開は前作の焼き直しのよう。家族を守る責任感に苦悩する父親、未熟ゆえに過ちを犯して何度も敵に捕まる子供たちのキャラクターは類型的で、家族の団結というテーマもありふれている。その半面、海洋生物の描写は神秘的で、感情表現も細やか。それにしてもキャメロンは、なぜ典型的な悪役のクオリッチ大佐を再登場させたのだろう。いっそのこと次回作で彼を主人公にしたら、意外な視点の物語ができるかも⁉(諭)

アバター:ウェイ・オブ・ウォーター

世界歴代興行収入No.1の超大作となった前作から13年。「アバター:ウェイ・オブ・ウォーター」は巨匠J.キャメロン監督自身の手により、人類史上最高の映画シリーズとして新たな奇跡を巻き起こす。

神秘の星パンドラの⼀員となった元海兵隊員のジェイクは、ナヴィの女性ネイティリと家族を築き、子供たちと平和に暮らしていた。再び人類がパンドラに現れるまでは……。
神聖な森を追われた一家は、〝海の部族〟のもとへ身を寄せる。だが、この美しい海辺の楽園にも、侵略の手は迫っていた……。

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