青崎有吾「地雷グリコ」KADOKAWA刊

青崎有吾「地雷グリコ」KADOKAWA刊

2024.6.21

熱烈映像化希望!1週間でトリプル受賞の話題作!青崎有吾「地雷グリコ」

出版社が映画化したい!と妄想している原作本を担当者が紹介。近い将来、この作品が映画化されるかも。
皆様ぜひとも映画好きの先買い読書をお楽しみください。

ひとしねま

和田典子

本格ミステリ大賞、日本推理作家協会賞、山本周五郎賞という三つの文学賞をわずか1週間で立て続けに受賞し、「とにかく面白い」と話題沸騰中のエンタメ小説「地雷グリコ」。高校生たちがゲームをして遊ぶだけ、とやっていることは極めてシンプルなのに、理詰めの美しさ、読み合い勝負の熱さ、友情の行く末、全てが面白くて目が離せない物語です。

読書好きのみならず、マンガやゲームを趣味とする人の心もわしづかみ、「コミカライズしてほしい」「映像だと絶対映える」という声が編集部に多く寄せられています。もちろん担当編集者も熱烈映像化希望! 「これは映像で見たいでしょ」と感じる作品の面白いポイント三つをご紹介します。
 

ゲーム自体が面白い

作中に登場するゲームは「じゃんけんグリコ」「だるまさんがころんだ」など、誰もがやったことのある遊びをひとひねりしたもの。たとえば表題作の「地雷グリコ」は、ジャンケンで勝った方が階段を上る「じゃんけんグリコ」をアレンジしており、階段のどこかにプレーヤーが「地雷」段を設定し、相手が仕掛けた「地雷」の位置を推理して避けながら最上段を目指します。

おなじみの遊びをちょっとひねるだけでこんなに面白そうなゲームになるなんて、とルール説明だけでわくわくするはず。神社の階段、大きな木のある公園、旧校舎など、各ゲームの開催場所が多様なのも魅力的で、遊んでいる登場人物たちの様子がすんなりと頭に浮かんできます。読者から多く寄せられる「自分もやってみたい!」という感想にも納得の、楽しすぎるゲーム5連発です。
 

「運に頼らない」勝利が爽快

主人公・真兎の勝ち方はいつでも論理的。勝負を運に任せるのではなく、ルールを十全に把握し、相手の戦法を見抜き、罠を仕掛けます。「賭博黙示録カイジ」「LIAR GAME」「噓喰い」といった作品が好きなひとには絶対刺さる、「勝ち」の爽快感。本格ミステリ好きをうならせる「勝ち方」の納得感。この二つが共存する勝利の瞬間、もうやみつきです。
 

高校生たちの青春

主人公の射守矢真兎(いもりや・まと)は一見ちゃらんぽらんな女子高生、なのに勝負ごとにはめっぽう強い。このギャップだけで惹(ひ)かれますが、勝負が進むにつれて、果たしてファンにならない人がいる?と感じるほど彼女の輝きは増します。加速する天才的な勝負師の冴(さ)えと、最後に明かされる譲れないもの。こんなのもう、好き!としか言いようがない最強の主人公です。

真兎の他の登場人物も、全員が個性的かつ魅力的。いわゆるデスゲームのような命のやりとりがなくても、高校生たちが自分なりのこだわりをかけて真剣勝負する姿には青春のすがすがしさが満ちており、胸が熱くなるはずです。
 

終わりに

「面白い」ポイントが多すぎて語り尽くせませんが、読めば必ず「しゃべっている真兎が見たい」「勝利の瞬間は、映像だとどんな演出になるかな」と想像が膨らむはず。直木賞ノミネートや今年のミステリランキングも控えており、まだまだ話題が続く1冊です。ぜひご注目ください。

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ライター
ひとしねま

和田典子

わだ・のりこ
2015年KADOKAWAに新卒入社し、ライトノベル編集部を経て文芸編集部へ。現在は文芸単行本編集部所属。

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