日本映画大賞に「ドライブ・マイ・カー」
男優主演賞 佐藤健「護られなかった者たちへ」
女優主演賞 尾野真千子「茜色に焼かれる」
第76回毎日映画コンクールの受賞作・受賞者が決まりました。2021年を代表する顔ぶれが並んでいます。受賞者インタビューを順次掲載。
1946年、日本映画復興を期して始まった映画賞。作品、俳優、スタッフ、ドキュメンタリー、アニメーションの各部門で、すぐれた作品と映画人を顕彰しています。
2022.2.14
第76回毎日映画コンクールの受賞作・受賞者が決まりました。2021年を代表する顔ぶれが並んでいます。受賞者インタビューを順次掲載。
1946年、日本映画復興を期して始まった映画賞。作品、俳優、スタッフ、ドキュメンタリー、アニメーションの各部門で、すぐれた作品と映画人を顕彰しています。
第76回毎日映画コンクールの表彰式が15日、東京・めぐろパーシモンホールで行われた。「護られなかった者たちへ」で男優主演賞の佐藤健さん、「茜色に焼かれる」で女優主演賞の尾野真千子さんら受賞者がそろい、トロフィーを手に喜びを語った。会場には新型コロナウイルス感染症対策を施し、関係者やファンら約500人が集まった。
女優主演賞の尾野真千子さん=前田梨里子撮影
「茜色に焼かれる」で女優主演賞の尾野真千子さんは「俳優をしていて孤独を感じることもあったが、この作品では一人じゃない、みんなとやってるとすごく思えた」と振り返った。スポニチグランプリ新人賞の2人も同作で共演。片山友希さんは「少しだけ自信がついた。コツコツと続けたい」、和田庵さんは「今まで以上にやる気になった」と話した。
男優主演賞の佐藤健さん=小出洋平撮影
男優主演賞の佐藤健さんは「護られなかった者たちへ」での受賞。「光栄です。素晴らしい作品に声をかけてくれたことに感謝したい」と述べた。女優助演賞の清原果耶さんも同作に出演。「人間として、俳優として成長できるよう努力します」と語った。
田中絹代賞の宮本信子さん=前田梨里子撮影
田中絹代賞の宮本信子さんは「これまでいろんな役もやったし、もういいかなと少し思っていたけど、田中さんに『もうちょっとがんばんなさいよ』と言われた気がする。まだがんばります」と宣言。大きな拍手を受けた。
日本映画大賞は「ドライブ・マイ・カー」で、濱口竜介監督が監督賞も受賞。開催中のベルリン国際映画祭で審査員を務めているため、現地から「役者の仕事をたたえたい。スタッフの支えがあったからこその賞だと思っている」とメッセージを寄せた。
日本映画優秀賞「すばらしき世界」では、西川美和監督とスタッフがそろって登壇=前田梨里子撮影
日本映画優秀賞の「すばらしき世界」では、西川美和監督のほか、スタッフ約20人が登壇。西川監督は「自分一人で作ったのではないので、スタッフに声をかけた。汗をかいてくれた人たちと喜べるのはうれしい」と声を弾ませた。同作で男優助演賞の仲野太賀は「ふさわしい俳優になれるよう精進したい」とビデオメッセージで語った。
「水俣曼荼羅」でドキュメンタリー映画賞の原一男監督は「私の願いは、水俣病は終わった、という日本の空気を変えること」と呼びかけた。「岬のマヨイガ」でアニメーション映画賞の川面真也監督は「岩手県大槌町が被災地ロケハンに協力してくれて、いい影響を与えてくれた」と感謝。「プックラポッタと森の時間」で大藤信郎賞の八代健志監督は「コロナ禍でポッカリ空いた時間に、自然を感じながら作った」と振り返った。
特別賞は、7月に閉館が決まった岩波ホール。支配人の岩波律子さんは「メセナが通用しなくなった。最後まできちんと仕事をして終えたい」とあいさつした。