「碁盤斬り」 精緻で緩みのない王道の時代劇
とある事件のぬれぎぬを着せられ、妻を亡くし藩を追われた浪人の格之進(草彅剛)は、娘のお絹(清原果耶)と江戸の長屋で2人暮らし。囲碁の名手で、碁会所で出会った商人の萬屋(國村隼)と碁仲間となったが、ある晩、萬屋の金が消え、格之進が盗んだと疑われる。一方、藩で起きた事件は碁敵の兵庫(斎藤工)の逆恨みが原因だと知り、格之進は妻のかたきを討つために、兵庫を捜す旅に出る。 落語の人情話を下敷きにした、あだ討ち時代劇。誇り高く激しさを秘めた武士の格之進を、草彅が風格たっぷりに好演。新境地を見せている。 囲碁が重要な要素となっているのも好感。近年の将棋人気と比べると、囲碁の存在感はもう一つ。勝負の展開が...