「エイリアン:ロムルス」

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2024.9.06

特選掘り出し!:「エイリアン:ロムルス」 息もつかせぬ危機の連続

毎週公開される新作映画、どれを見るべきか? 見ざるべきか? 毎日新聞に執筆する記者、ライターが一刀両断。褒めてばかりではありません。時には愛あるダメ出しも。複数の筆者が、それぞれの視点から鋭く評します。筆者は、勝田友巳(勝)、高橋諭治(諭)、細谷美香(細)、鈴木隆(鈴)、山口久美子(久)、倉田陶子(倉)、渡辺浩(渡)、木村光則(光)、屋代尚則(屋)、坂本高志(坂)。

ご存じ「エイリアン」シリーズの最新作である。時代設定はSF史上の名作として名高い第1作の20年後となる西暦2142年。シリーズの創始者リドリー・スコットは製作に回り、「ドント・ブリーズ」のフェデ・アルバレス監督がメガホンを執った。

植民地惑星の劣悪な労働環境に苦しむレイン(ケイリー・スピーニー)と弟分のアンドロイド、アンディ(デビッド・ジョンソン)が希望を求め、仲間とともに廃虚化した宇宙ステーションに侵入する。しかし、そこには未知の恐るべき生命体が保存されていた。

新天地への旅立ちを夢見る若者たちと1体のアンドロイドの行く手に、凶悪なエイリアンが立ちはだかる。密室空間でのサバイバルに焦点を絞った内容は、第1作への原点回帰と言えるし、いちげんさんにもとっつきやすそう。宇宙ステーションの複雑かつ不気味な内部を構築したセットデザインも充実し、クライマックスにはあっと驚く新種の生命体が登場する。

絶叫ホラー風のテイストゆえ、ドラマとキャラクターは弱いが、危機また危機のつるべ打ちで見る者に息つく間を与えない。恐怖レベルの高さはシリーズ中上位の出来ばえ。1時間59分。東京・TOHOシネマズ日比谷、大阪ステーションシティシネマほか。(諭)

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