「ゴールド・ボーイ」 Ⓒ2024 GOLD BOY

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2024.3.08

「ゴールド・ボーイ」 二転三転する駆け引きにくぎ付け

毎週公開される新作映画、どれを見るべきか? 見ざるべきか? 毎日新聞に執筆する記者、ライターが一刀両断。褒めてばかりではありません。時には愛あるダメ出しも。複数の筆者が、それぞれの視点から鋭く評します。筆者は、勝田友巳(勝)、高橋諭治(諭)、細谷美香(細)、鈴木隆(鈴)、山口久美子(久)、倉田陶子(倉)、渡辺浩(渡)、木村光則(光)、屋代尚則(屋)、坂本高志(坂)。

中国でドラマ化され人気を集めたズー・ジンチェンの小説を原作に、舞台を沖縄に移して映画化した。地元有名実業家の婿養子である東昇(岡田将生)は、義理の両親を崖の上から突き落として殺害する。完全犯罪のはずだったが、3人の少年少女が映した動画に偶然その模様が捉えられていた。3人は東を脅迫して大金を手に入れようと画策する。

東と3人の子供たちの二転三転する駆け引きに終盤までくぎ付け。計算し尽くされた犯罪をあっさりと実行に移す東、大人顔負けの知恵を駆使して東を翻弄(ほんろう)する子供たちとの緊迫感あふれるやり取りに魅了される。警察や子供たちの親など周囲の大人はうろたえるだけで、ほぼ蚊帳の外。悪党自慢のような発想の連続にあぜんとし、東と少年たちのリーダー朝陽(羽村仁成)の冷血ぶりが際立っていく。ただ、終わってみれば相次ぐ殺人の動機がやや希薄で、首をかしげる部分も。沖縄の空の青さと木々の緑の開放的な美しさが、血生臭い殺害場面と対照的で効果を上げている。金子修介監督。2時間9分。東京・TOHOシネマズ日比谷、大阪・TOHOシネマズ梅田ほか。(鈴)

異論あり

心理描写とか葛藤とか、人間洞察的な部分はすっぱり割り切って、筋立ての面白さに特化した犯罪ドラマ。脚本の港岳彦と金子監督の、メリハリを付けた職人的な物語さばきはさすが。東と朝陽の悪者同士の駆け引きに引き込まれるものの、殺されるために人物が登場する展開はいささかくたびれる。(勝)

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