「ジョン・ウィック:コンセクエンス」®, TM & © 2023 Lions Gate Entertainment Inc. All Rights Reserved.

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2023.9.22

「ジョン・ウィック:コンセクエンス」

毎週公開される新作映画、どれを見るべきか? 見ざるべきか? 毎日新聞に執筆する記者、ライターが一刀両断。褒めてばかりではありません。時には愛あるダメ出しも。複数の筆者が、それぞれの視点から鋭く評します。筆者は、勝田友巳(勝)、高橋諭治(諭)、細谷美香(細)、鈴木隆(鈴)、山口久美子(久)、倉田陶子(倉)、渡辺浩(渡)、木村光則(光)、屋代尚則(屋)、坂本高志(坂)。

キアヌ・リーブスが伝説の殺し屋にふんした人気シリーズ第4作。裏社会を牛耳る主席連合の粛清を生き延びたジョン・ウィック。しかし主席連合で新たに台頭したグラモン侯爵(ビル・スカルスガルド)が追撃を始め、ジョンは大阪コンチネンタルホテルの支配人である旧友シマヅ(真田広之)を頼ることに。

一作ごとに肥大化、長尺化してきた本シリーズ、今回は何と2時間49分。もちろん見どころはキアヌが群がる敵と戦うアクションだが、そのベクトルはリアルな臨場感を追求した「ミッション:インポッシブル」シリーズとは対照的だ。銃や刀剣、格闘術を合体させ、エキゾチックなまでに華麗な様式美を極めたアクションの博覧会であり、もはやストーリーの流れや登場人物の感情は二の次。いくらクオリティーが高い見せ場もここまで長いとありがたみも薄れるが、仏サクレクール寺院の長大な階段での攻防など、遊び心あふれる仕掛けに目を奪われる。真田やキアヌと激闘を演じる盲目の殺し屋役ドニー・イェンがさすがの存在感。チャド・スタエルスキ監督。東京・TOHOシネマズ日本橋、大阪・TOHOシネマズ梅田ほか。(諭)

ここに注目

シリーズの底流にあった和風好みを全面展開。対戦相手への敬意と信義といった〝武士道精神〟、柔術や合気道、空手に相撲まで交えた格闘技。アジアの両雄、真田とイェンの一騎打ちはシリーズ最大の見ものだろう。ただ、なんちゃってニッポン的なセットはジョークか勘違いか。そこは「?」。(勝)

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