Netflixで独占配信中の「イツカ、ミライハ」

Netflixで独占配信中の「イツカ、ミライハ」© 2024 Netflix, Inc.

2025.1.10

配信チェック:「イツカ、ミライハ」 タイ発、見応えある〝勝負〟作

毎週公開される新作映画、どれを見るべきか? 見ざるべきか? 毎日新聞に執筆する記者、ライターが一刀両断。褒めてばかりではありません。時には愛あるダメ出しも。複数の筆者が、それぞれの視点から鋭く評します。筆者は、勝田友巳(勝)、高橋諭治(諭)、細谷美香(細)、鈴木隆(鈴)、山口久美子(久)、倉田陶子(倉)、渡辺浩(渡)、木村光則(光)、屋代尚則(屋)、坂本高志(坂)。

日本の視聴者が楽しむ「海外ドラマ」といえば、かつては欧米か韓国の作品が主流だった。しかし今や、映像コンテンツのネット配信が普及し、各国の制作者が世界の視聴者を相手に〝勝負〟する時代が来ている。本作はタイ発のドラマで、科学技術が進展した20XX年の「ミライ」の社会が舞台。先月に全4話の配信が始まった。

第1話の題は「厄介者」。タイ人女性初の宇宙飛行士ヌーン(ワラントーン・パオニン)は、地球に帰る船中で絶命し、変わり果てた姿で故郷に戻ってきた。夫のノン(パコーン・チャットボリラック)は科学者に、妻のクローンを作ってほしいと懇願する。ヌーンは「生き返る」のか? 見始める前、「厄介者」とはどういう意味だろうと思ったが、誰を指しているのかは、物語の後半に分かる。

ほかの舞台は「セックスロボット」が人気の社会、気候変動で雨が降り続ける社会……など。日本のドラマシリーズ「世にも奇妙な物語」のようなオムニバス形式で、時折ゾッとする点も、共通している。近未来を描いた映像も各話、凝っていて見応え十分。先述の〝勝負〟の世界が、ますます激化する「ミライ」を想像した。

パウィーン・プーリチットパンヤー監督。ネットフリックスで独占配信中。(屋)

関連記事

この記事の写真を見る

  • Netflixで独占配信中の「イツカ、ミライハ」
さらに写真を見る(合計1枚)