「ダム・マネー ウォール街を狙え!」

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2024.12.27

〝期待外れ〟を埋めてくれた〝予想外〟:総まくり2024年

2024年もたくさんの映画が、私たち映画ファンを楽しませてくれました。ひとシネマライターが、映画、動画配信サービスの作品から今年の10本、そして2025年の期待作を選びました。年末年始、鑑賞のおともに、どうぞ!

筆者:

髙橋佑弥

髙橋佑弥

「コット、はじまりの夏」
「ダム・マネー ウォール街を狙え!」
「PLAY!  勝つとか負けるとかは、どーでもよくて」
「FLY!/フライ!」
「ラジオ下神白  あのとき あのまちの音楽から いまここへ」
「恋するプリテンダー」
「ホールドオーバーズ 置いてけぼりのホリディ」
「エイリアン:ロムルス」
「ビートルジュース ビートルジュース」
「スユチョン」(東京フィルメックス)
 

ホン・サンス「スユチョン」に快哉

映画祭上映作や配信/DVDスルー作品を対象外として劇場公開作を選ぶ、というのが例年自分に課している条件なのだが、今回は迷った末に映画祭上映作を1本だけ入れている(順不同/公開日順)。東京フィルメックスで上映されたホン・サンス監督作「スユチョン」がそれ。もともと好きな作り手なのだが、にもかかわらず近作は好きになれないものも少なくなかったなかで、久方ぶりの好ましい出来で快哉(かいさい)を叫んだ。「草の葉」「川沿いのホテル」以降では最高作ではないか。

2024年を振り返ったとき、監督由来で期待を膨らませて見に行った作品群が予想を上回ることが少なかったという印象がある(あえて監督名は挙げずにおくけれども)。その落胆を、期待せずに見た多くの充実した作品が埋めてくれた。

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