「The Good Place」や「マスター・オブ・ゼロ」、「ウォッチメン」などのテレビシリーズを手掛けてきたコード・ジェファーソンの映画監督デビュー作。黒人エンターテインメントに対するステレオタイプな強迫観念にうんざりした作家が巻き起こす騒動を描く。主演は、「フレンチ・ディスパッチ ザ・リバティ、カンザス・イヴニング・サン別冊」（2021年）や「THE BATMAN ザ・バットマン」（22年）のジェフリー・ライト。退屈で不快な比喩に依存する〝黒人〟エンターテインメントに不満で欲求不満の小説家モンクを演じる。
 
アフリカ系アメリカ人の上流階級の作家であり、ロサンゼルスで大学教授として務めるセロニアス・モンク・エリソンが書く小説は、売れ行きは芳しくなく、出版社からは「黒人らしくない」という理由で新作を却下される。一方、黒人の固定観念に迎合したシンタラ・ゴールデンの「We's Lives in Da Ghetto」はベストセラーだ。シンタラの成功にいら立つモンクは、ペンネームを使って黒人作家に期待される文学的常套（じょうとう）句であるメロドラマ的なプロット、ダメおやじ、ギャングによる暴力、ドラッグを揶揄（やゆ）した風刺小説「マイ・パフォロジー」を執筆するが、このことによってモンクは、自身が軽蔑している偽善の核心に迫ることになる。

第96回アカデミー賞で脚色賞を受賞。

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※2024年2月現在の情報です。