サルバドール･ダリと伝説的な三ツ星レストラン「エル・ブリ」の料理長、フェラン･アドリアという2人の天才が同じ時代に活躍していたなら？というアイデアから生まれた本作。監督・脚本は、TVドキュメンタリーシリーズ「エル・ブリ：夢の物語」を手掛け、サルバドール・ダリに関するドキュメンタリー映画を3本を手掛けているダビッド・プジョル。サルバドール・ダリが愛したスペインの海辺の街カダケスを舞台に、美術と料理という双方の要素を最大限に取り入れたレストランエンターテイメントを完成させた。

1974年、フランコ政権末期のスペイン。圧政とプレッシャーのバルセロナを逃れた料理人フェルナンドとアルベルトの兄弟は、友人フランソワの伝手でサルバドール・ダリの住んでいる海辺の街カダケスに辿り着く。彼らを迎えたのは魅力的な海洋生物学者のロラとその父親で、ダリを崇拝するレストラン「シュルレアル」のオーナーであるジュールズだった。「いつかダリに当店でディナーを」をスローガンに、ありとあらゆる無謀な試みに奔走しながら、情熱を謳い続けるジュールズ。やがてそのカオスはフェルナンドの料理に新たな風をもたらし、世界規模の革命的シェフが誕生することになる。

©ESPERANDO A DALÍ A.I.E. 2022