新型コロナウイルスの世界的流行が始まった2020年2月3日に横浜港に入港し、その後、日本で初となる新型コロナウイルスの集団感染が発生した豪華客船「ダイヤモンド・プリンセス」の実際の出来事を題材に、日本が初めて治療法不明の未知のウイルスに直面することとなった〝最前線〟で、命を救うため懸命の活動を行なった医師や看護師たちを描く。
メガホンをとったのは、長編ドキュメンタリー「燃えるドレスを紡いで」(2023年)や劇映画「かくしごと」(24年)の関根光才。災害派遣医療チームDMAT(ディーマット)の指揮官・結城英晴(ゆうき・ひではる)を演じるのは小栗旬。結城とぶつかり合うこととなる厚生労働省から派遣された役人・立松信貴(たてまつ・のぶたか)を松坂桃李、岐阜に家族を残し現場に駆けつけたDMAT隊員・真田春人(さなだ・はると)に池松壮亮、結城と〝戦友〟とも呼べる過去を持つ仙道行義(せんどう・ゆきよし)を窪塚洋介が演じる。さらに、クルーズ船のクルー羽鳥寛子(はとり・ひろこ)を森七菜、TV記者の上野舞衣(うえの・まい)に桜井ユキ、6歳の息子と乗船した母親・河村さくらを美村里江、上野(桜井)の上司で、中央テレビの報道責任者・轟に光石研、下船した乗客を受け入れる病院医師の宮田を滝藤賢一が演じている。
<あらすじ>
2020年2月、乗客乗員3,700名を乗せた豪華客船が横浜港に入港した。香港で下船した乗客1人に新型コロナウイルスの感染が確認されていたこの船内では、すでに感染が拡大し100人を超える乗客が症状を訴えていた。出動要請を受けたのは災害派遣医療チーム「DMAT」。地震や洪水などの災害対応のスペシャリストではあるが、未知のウイルスに対応できる経験や訓練はされてはいなかった。対策本部で指揮を執るのはDMATを統括する結城英晴(小栗旬)と厚労省の役人・立松信貴(松坂桃李)。船内で対応に当たるのは結城とは旧知の医師・仙道行義(窪塚洋介)と、家族を残し、船に乗り込むことを決めたDMAT隊員・真田春人(池松壮亮)たちだった。彼らは〝最前線〟で、治療法不明の未知のウイルス相手に自らの命を危険に晒しながらも、乗客全員を下船させるまで誰1人諦めずに戦い続けた。