「少年たちの時代革命」（2021年・共同監督作）のラム・サム監督初の単独長編監督作にして、台湾アカデミー賞3部門、香港電影評論学会大奨6部門、そして香港アカデミー賞10部門ノミネートされた本作。コロナ禍の香港の片隅で、誰にも気付かれずに生きる人々の心情を優しく掬い取ったヒューマンドラマ。出演は、人気シンガーソングライターであり、「イップ・マン継承」（2016年）、「SHOCK WAVE ショック ウェイブ 爆弾処理班」（2018年）など、100本以上のドラマに出演し、コメディ俳優としても評価が高いルイス・チョン。共演は、「宵闇真珠」（2017年）でオダギリジョーと共演し、川島小鳥の写真集や銀杏BOYZのCDジャケット、Vaundyの「Tokimeki」のMVにも起用された香港のトップモデル、アンジェラ・ユン。

香港で「ピーターパンクリーニング」を経営するザク（ルイス・チョン）の元に、若いシングルマザーのキャンディ（アンジェラ・ユン）が職を求めてやってくる。娘ジュー（トン･オンナー）のために、慣れない清掃の仕事を頑張るキャンディだったが、ジューのために子供用のマスクを客の家から盗み、ザクは大事な顧客を失ってしまう。ザクはキャンディにもう一度だけチャンスを与え、心を入れ替え仕事に打ち込んでいくキャンディに、心惹かれていくが、そんな中、ルイスの母が急死する。葬儀に向かうザクを送り出し、ひとりでの仕事に張り切るキャンディ。しかしジューがうっかり洗剤をこぼしてしまい、追い詰められたキャンディは、ちょっとした嘘を重ねてしまう。それがザクと会社を窮地に追いやることになるが…。

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