女ばかりの夜

田中絹代の監督5作目。脚本は田中澄江。溝口健二監督の「夜の女たち」(1948年)で街娼を演じた田中が、売春婦たちの更生と社会的自立を描いた。1958(昭和33)年に売春防止法が完全施行されたが、法の網の目をくぐって春を売る女は後を絶たなかった。警察の取り締まりで検挙された彼女たちは、強制的に厚生寮か補導院へ送られた。その一つ、白菊婦人寮に収容された女性たちは更生への道を踏み出すが、社会は冷たく、差別や軽蔑のなか苦しい困難の日々が続いた。

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