さわむら さだこ
1908年11月10日 生まれ
恋と教育に真摯に苦悩する女教師の姿を描く。寒村の中学の先生として赴任した文江(久我美子)の心の支えているのは高校の時の幸田先生(高倉健)。校長が生徒に暴力を振るったことに抗議をして学校を離れた文江は、幸田を追って上京。しかしそこで会ったのは、愛する人を失って憔悴した姿の幸田だった。旅館で働く教え子に卒業証書を渡した文江が故郷へ帰ると復職が叶い、子供たちの歌声が迎えてくれた。(追悼特別展「高倉健」図録より)
田中絹代の監督5作目。脚本は田中澄江。溝口健二監督の「夜の女たち」(1948年)で街娼を演じた田中が、売春婦たちの更生と社会的自立を描いた。1958(昭和33)年に売春防止法が完全施行されたが、法の網の目をくぐって春を売る女は後を絶たなかった。警察の取り締まりで検挙された彼女たちは、強制的に厚生寮か補導院へ送られた。その一つ、白菊婦人寮に収容された女性たちは更生への道を踏み出すが、社会は冷たく、差別や軽蔑のなか苦しい困難の日々が続いた。
満州国皇帝溥儀の弟、溥傑の妃、愛新覚羅浩の半生を、登場人物の名前を変えて映画化。満州皇帝の弟溥哲のもとに嫁いだ竜子は、慣れない境遇の中、溥哲からのいたわりと息子英生への愛情を糧に懸命に生きる。やがて日本の敗戦を迎え、竜子はソ連侵攻とともに捕らわれの身となった。脚本和田夏十、監督田中絹代、主演京マチ子と、時代を代表する女性映画人が結集した。