劇団牧羊犬を主宰し、短編映画では国内外の数々の賞を受賞してきた渋谷悠の初長編作品。家族の喪失と再生をテーマに、観る者を心地よく包み込む新たな物語を紡ぎ出した。主人公の息子を亡くし後悔に溺れる漁師の善次を演じるのは升毅。障がいを抱える娘を懸命に守ろうとする母・透子を田中美里、聴覚過敏によって聴こえてくる様々な音を擬音語に変えられる才能を持つ美晴役には「麻希のいる世界」(2022年)に主演した日髙麻鈴が挑んだ。その他、和田聰宏、宮本凜音、上原剛史、井上薫、阿南健治らが共演する。
喧嘩別れをして以来、一度も会っていない息子の光雄(和田聰宏)をがんで亡くした漁師の善次(升毅)のもとを、光雄の妻の透子(田中美里)が娘の美晴(日髙麻鈴)と凛(宮本凜音)を連れて訪ねてくる。突然の訪問に戸惑う善次だったが、彼女たちを通して亡き息子に思いを馳せるようになる。透子は、聴覚過敏を持つ自閉症の美晴を守るのに必死だ。「もう自分しかいない」という決意は、夫である光雄が亡くなってから更に強まっている。美晴は、守られてきた世界から一歩でも外に踏み出したいと願うものの、失敗したり不安を感じると、布団を被り夢の中に逃げ込む。そこは、父の光雄が生前病床で書いた「美晴に傘を」という絵本の世界だった。やがて、小さな町の人々との交流を通じて、善次、透子、美晴は、自分自身の内なる声に耳を傾け始める。
公開日: 2025年01月23日
美晴に傘を
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2025年 /日本 /123分 /G
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公式サイト: https://miharu-movie.com/
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