イタリアの高校生のジャコモ・マッツァリオールが撮影し、YouTubeで大きな反響を呼んだ5分間のショートムービー「ザ・シンプル・インタビュー」。ダウン症の弟ジョーを主人公に、2015年3月21日「世界ダウン症の日」に合わせて公開された動画は、主要各紙に取り上げらたことで大手出版社の目に留まり、2016年に小説「弟は僕のヒーロー（Mio fratello rincorre i dinosauri）」として出版され、25万部を超えるベストセラーになった。本作は、この人気書籍を原作に映画化された。

主人公のジャックは、「僕らをつなぐもの」（2022年）のフランチェスコ・ゲギ。ピュアな心を持ち続ける弟・ジョー役は、実際にダウン症のあるロレンツォ・シストが演じている。また、人気俳優アレッサンドロ・ガスマンやロッシ・デ・パルマなど、豪華キャストが参加し、ダウン症の子を持つ家族の葛藤や奮闘、リアルな喜びや困難、そして揺らがない家族愛を、ユーモアを交えて描き出した。

5歳のジャックは初めてできた弟ジョーに大喜びするが、両親からはジョーは〝特別〟な子だと聞かされる。ジョーがスーパーヒーローだと信じるジャックだが、やがて〝特別〟の意味を知り、思春期を迎えると弟の存在を隠すようになる。ある日、好きな子を前についてしまった嘘が、家族や友達、町全体を巻き込み、やがて取り返しのつかない事件となる。

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