デビュー作「こちらあみ子」（2022年）で第27回新藤兼人賞金賞はじめ数多くの賞を受賞した森井勇佑監督が、詩人・中尾太一の「ルート２９、解放」（書肆子午線）からインスピレーションを受けて制作した本作。舞台となる姫路から鳥取を結ぶ一本道の国道29号線を約1カ月間かけて旅をして脚本を完成させた。他者と必要以上のコミュニケーションを取ることのできない主人公トンボが、風変わりな女の子ハルを連れて旅に出ることにより、奇妙な人たちとの出会いや、少しづつ深まるハルとの絆によって、空っぽだった彼女の心に喜びや悲しみの感情が満ちていくロードムービー。

主人公の清掃員の女性、トンボを演じるのは、、これまでアクション、ラブストーリー、コメディ、時代劇、大河ドラマなど様々なジャンルで多岐に渡るキャラクターを演じてきた綾瀬はるか。ハル役を「こちらあみ子」で強烈なデビューを飾り第36回高崎映画祭最優秀新人俳優賞を受賞した大沢一菜が演じる。さらに、「娘のハルを連れてきてほしい」とトンボに依頼する入院患者・理映子を市川実日子、犬を連れた赤い服の女に伊佐山ひろ子、ハルと心を通わせる森の少年に原田琥之佑、森の少年の父親を高良健吾、トンボの姉で小学校教師の亜矢子に河井青葉、時計屋のおばあさんを渡辺美佐子など、実力派キャストたちが集結した。

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