「それでも私は生きていく」
夫亡き後、通訳の仕事をしながら幼い娘を育てているサンドラ(レア・セドゥ)。病によって記憶と視力を失いつつある父(パスカル・グレゴリー)のもとにも足を運び、忙しい毎日を送っている。ある日、旧友のクレマン(メルビル・プポー)と再会した彼女は、妻子ある彼と恋に落ちていく。 「未来よ こんにちは」のミア・ハンセン・ラブ監督が自身の経験をベースにして撮った作品。かつては哲学の教師であり、本棚から知性が伝わってくる父が変わっていく姿を目にしたサンドラが涙をこらえたり、にじませたりする姿が何度も映し出される。失われゆくものへの悲しみや介護の大変さとともに描かれるのは、娘とのたわいないからこそ尊い日常と、ク...