「私の大嫌いな弟へ ブラザー&シスター」
舞台俳優として活躍し、演出家の夫と息子がいるアリス(マリオン・コティヤール)と、人里離れた山中で妻と暮らす詩人で弟のルイ(メルビル・プポー)。2人は長年にわたって互いを憎み合い、長らく顔も合わせていない。しかし、両親が事故に遭い再会することになる。 「そして僕は恋をする」のアルノー・デプレシャン監督による姉弟の愛憎劇。いがみ合う2人の話なのに、不快感を感じない。サスペンスもあり、時にコミカルささえしのばせて映し出す。俳優と詩人。自らの感性を赤裸々に表現し、想像力をかきたてる瞬間を生きている設定もうなずける。両親との関係やルイの子供の死など〝嫌い〟を助長することはあっても、憎み合う要因は明かさ...