この1本:「マイスモールランド」 隣に生きる難民の鼓動
戦火を逃れたウクライナからの避難民を政府が受け入れ、「準難民」なる新制度も検討するという。困難にある人がいち早く救われたのは本当によかった。しかしそれなら、助けを求めて来日しながら長い間非人間的扱いを受けている、難民申請中の人たちの救済だってできるのではないか。「マイスモールランド」は、日本にいる難民の苦難と、その心境に分け入ってゆく。 17歳の高校生サーリャ(嵐莉菜)は、父親と弟、妹とともに埼玉県川口市で暮らしている。一家はクルド人で、迫害を逃れて日本にやってきたのだ。コンビニでのアルバイトに精を出し大学進学を考えていたが、難民申請が不認定となって在留資格を失うと、労働を禁じられ移動も制限...