Raphaël Personnaz
1981年7月22日 生まれ
俳優「⿊いスーツを着た男」(2012年)「ジュリア(s)」(2022年)「ボレロ 永遠の旋律」(2024年)
1928年のパリ。スランプに陥っている作曲家のモーリス・ラベル(ラファエル・ペルソナ)は、ダンサーのイダ・ルビンシュタイン(ジャンヌ・バリバール)から、新作バレエの音楽を依頼される。 冒頭、ジャズやロック調などさまざまな演奏が流れることからも分かるように、「ボレロ」は世界中で愛されている。このクラシックの名曲はいかにして生まれたのか。「ココ・アヴァン・シャネル」など実話を基にした作品を手がけてきたアンヌ・フォンテーヌ監督が、時系列をパズルのように組み替えながら、ラベルの人生と苦しみのもとともなった創作の秘密に迫った。 工場の機械の規則的な音が、反復するリズムのインスピレーションの源になった...
2024.8.09
ラベルの作品の中で、最も上演されているのは「ボレロ」であることは間違いない。オーケストラ・コンサートで演奏されるだけではなく、本来の形のバレエとしても、数限りなく取り上げられている。 しかし、「ボレロ」はラベルの中でも、形式、旋律、リズム、管弦楽法のどれを取っても極めて異色。その異色たる理由に題材を見いだして、ラベルの人生を描き出し、一編の詩的な優れた映画を作り出したアンヌ・フォンテーヌ監督はただものではない。「ボレロ 永遠の旋律」は、さまざまなラベルの作品を用いながら、主題は「ボレロ」一作に絞り込んでいる。 同じテーマを17回 異質形式を生んだのは…… 事実としてのラベルの...
梅津時比古
2024.8.08
パリ・オペラ座での初演以来、時代を越えて世界中で愛され続けている名曲「ボレロ」の誕⽣秘話を描いた音楽映画。監督は「ドライ・クリーニング」(1997年)でべネチア国際映画祭⾦オゼッラ賞に輝き、「ココ・アヴァン・シャネル」(2009年)や「夜明けの祈り」(16年)でセザール賞にノミネートされたアンヌ・フォンテーヌ。主⼈公ラヴェルを演じるのは、「⿊いスーツを着た男」(12年)のラファエル・ペルソナ。ラヴェルのミューズであるミシアには「ベル・エポックでもう⼀度」(19年)でセザール賞主演⼥優賞にノミネートされたドリヤ・ティリエが演じる。 ブリュッセル・フィルハーモニー管弦楽団の演奏による「ボレロ」に...
ピアニストを目指してアムステルダムの音楽学校で学んでいたジュリアの運命は、ささいな偶然を契機に枝分かれしていく。1人の女性の人生の可能性を、並行して描く。 学校を抜け出してベルリンの壁崩壊の現場に行ったジュリアは、両親にバレてけんか、ベルリンに移住する。一方、パスポートを忘れたために学校に残ったジュリアは、ひたすらピアノに励むことになる。ピアニストになるかなれないか、結婚するか独身か、子どもを産むか産まないか……。さまざまなジュリアが現れる。 ©WY PRODUCTIONS–MARS FILMS–SND-FRANCE 2 CINÉMA