毎日映コンの軌跡⑥ 俳優への演技賞 派手さよりも芸術性に支持
映画の華は、やはり俳優。映画賞も男優、女優の顔ぶれが注目される。第1回(1946年度)毎日映コンは演技賞を小沢栄太郎に贈った。 「大曽根家の朝」で旧弊な陸軍士官を演じた小沢は脇に回ることが多かった。第1回からその渋い性格俳優に賞を与えたことにも、芸術性を重んじようという映コンの姿勢がうかがえる。その後、演技賞は男女優各1人が選ばれるようになり、断続的だった助演賞も第38回から定着する。受賞者の顔ぶれを見ると一貫して、演技派に支持が集まるようだ。 第17回の男優主演賞は「人間」の殿山泰司。牛原虚彦監督は講評で「内的なゆたかな蓄積が、この人の演技の無限のひきだし、内臓から身体全体へ、また、その...