「あつい胸さわぎ」
港町で暮らす千夏(吉田美月喜)と母の昭子(常盤貴子)。芸大に通い小説家を目指す千夏は初恋の思い出をつづる課題に取り組む中、幼なじみの光輝(奥平大兼)への思いを書こうとしている。昭子は職場に赴任してきた木村(三浦誠己)の人柄に触れ、ひかれ始めていた。そんなある日、千夏が乳がん検診の再検査を受けることになる。 原作は演劇ユニットiakuの横山拓也が作・演出を務めた同名舞台。若年性乳がんが題材だが、まつむらしんご監督は10代の恋と母娘の関係をあくまでも軽やかに描き出した。母は娘を愛するが決して聖母ではなく、娘は大人と子供のはざまで心と体を持て余す。遠慮なく本音をぶつける母娘の会話が深刻なムードに傾...