Eva Husson
監督「帰らない日曜日」(2021年)「バハールの涙」(2018年)
ブッカー賞作家の小説を映画化 第一次世界大戦後のイギリスの田舎町を舞台に、名家の子息と孤独なメイドの秘密の恋を官能的に描いたラブストーリー「帰らない日曜日」が5月27日、全国公開される。ブッカー賞作家グレアム・スウィフトの小説「マザリング・サンデー」の映画化で、カンヌ国際映画祭をはじめ世界中の映画祭で評判を呼んだ話題作。フランス人女性で「バハールの涙」のエバ・ユッソン監督にオンラインで聞いた。見どころや原作への思いから、女性の強さや映画界への意見にまで話が及んだ。 人生を変えた1日を振り返る小説家 孤児院育ちのメイドのジェーンと、幼なじみとの結婚を控えたシェリンガ...
鈴木隆
2022.5.30
1924年のイギリス。その日はメイドが年に1度里帰りできる母の日だった。孤児院育ちのジェーン(オデッサ・ヤング)に、秘密の関係を続ける近隣家の後継ぎポール(ジョシュ・オコナー)から電話が入る。ポールは幼なじみエマとの結婚を控えるが、屋敷でジェーンと愛し合い、エマらとの昼食会に向かった。 第一次世界大戦で次々と息子を亡くした名家の悲しみを背景に、禁断の恋とジェーンのその後を描く。緑豊かな田園風景や水辺はうっとりするほど美しくきらびやか。2人のエレガントな官能を描きつつも、エヴァ・ユッソン監督がこだわったのは作家として自立していくジェーンの二十余年後と老年の姿だ。 愛と喪失を超えて自らの道を模...
2022.5.27
1924年、初夏のように暖かな3月の日曜日。イギリス中のメイドが年に1度の里帰りを許される母の日だった。ニヴン家で働く孤児のジェーンには帰る家がなかったが、秘密の関係を続ける近隣のシェリンガム家の跡継ぎポールから自宅に来るよう誘われる。ポールは幼なじみのエマとの結婚を控えていたが、前祝いの昼食会への遅刻を決め込み、邸宅の寝室でジェーンと愛し合っていた。やがて、ポールは昼食会に向かい、ジェーンは誰もいない邸宅を一糸まとわぬ姿で探索。ニヴン家に戻ったジェーンを思わぬ知らせが待っていた。グレアム・スウィフトの小説「マザリング・サンデー」の映画化。