Juho Kuosmanen
1979年9月29日 生まれ
映画監督、脚本家「オリ・マキの人生で最も幸せな日」(2016年) 監督・脚本「コンパートメントNo.6」(2021年)監督・脚本
ロードムービー(旅の映画)には想定外の出会いが付きものだ。しかしすてきな誰かと巡り合うとは限らないし、本作の主人公の道連れとなる相手の印象はサイテー最悪。せっかくの旅が台無しと思いきや、その先には心揺さぶる展開が待っている。「オリ・マキの人生で最も幸せな日」でデビューしたフィンランドの新鋭監督ユホ・クオスマネンが、カンヌ国際映画祭グランプリを受賞した逸品である。 1990年代。ロシアに留学中のフィンランド人ラウラ(セイディ・ハーラ)がモスクワ発の寝台列車に乗る。彼女の目的は、世界最北端の駅ムルマンスクで古代の岩面彫刻を見ること。ところが客室で乗り合わせた若い労働者リョーハ(ユーリー・ボリソフ...
2023.2.10
ヘルシンキから車で1時間、フィンランドの深い森と湖に囲まれたカルッキラの町。今は使われなくなった鋳物工場を利用して、小さな町に初めての映画館「キノ・ライカ」が誕生した。リサイクルの木材や鉄、家具を使って、映画館を手造りしたのは、映画監督のアキ・カウリスマキと仲間たち。本作は、クロアチアのアーティストで映画監督のべリコ・ビダックが、妻と生後8カ月の娘をつれてカルッキラに1年間滞在し、作業を手伝いながら映画館誕生にわき立つカルッキラの住民たちの声を拾い上げ、「キノ・ライカ」開館までを見届けたドキュメンタリー。 本編では、カルッキラの住民たちに加え、「キノ・ライカ」の共同経営者となるミカ・ラッティ...
ユホ・クオスマネン 監督2作目にして 2021年のカンヌ国際映画祭グランプリを獲得した本作。 ロサ・リクソムの同名小説を原案にした雪深い北の街を舞台に描かれるロードムービー。 モスクワに留学中のフィンランド人学生ラウラ(セイディ・ハーラ)は、恋人の大学教授イリーナ(ディナーラ・ドルカーロワ)にドタキャンされ、古代ペトログリフを見に行く旅は急遽一人旅になる。寝台列車6号コンパートメントに乗り合わせたのは、炭鉱労働者の男リョーハ(ユーリー・ボリソフ)。粗野な振る舞いで、傷心のラウラにとって最悪な旅のはじまりとなるが、長い 旅を共にするうちに、お互いの不器用な優しさや魅力に気づいていく。 ...