Yura Borisov
1992年12月07日 生まれ
Yuri Alexandrovich Borisov
ショーン・ベイカー監督はiPhone(アイフォーン)で撮影した「タンジェリン」(2015年)以来、少数派を物語の中心に据えてきた。弱者ではあっても、差別や暴力にみすみす屈することはない。美化するでも神聖化するでもなく、したたかにたくましく生きる彼ら/彼女らを通して、世の中の〝男性性〟を過激に撃つのである。 ニューヨークのヌードダンサー、アニーことアノーラ(マイキー・マディソン)は、ロシア語が分かるという理由で接客したロシアの富豪の息子イバン(マーク・エイデルシュテイン)と意気投合。イバンが帰国するまでの7日間、恋人として過ごすことになった。2人はショッピングにパーティーに、金に飽かせたぜいた...
2025.2.28
ロードムービー(旅の映画)には想定外の出会いが付きものだ。しかしすてきな誰かと巡り合うとは限らないし、本作の主人公の道連れとなる相手の印象はサイテー最悪。せっかくの旅が台無しと思いきや、その先には心揺さぶる展開が待っている。「オリ・マキの人生で最も幸せな日」でデビューしたフィンランドの新鋭監督ユホ・クオスマネンが、カンヌ国際映画祭グランプリを受賞した逸品である。 1990年代。ロシアに留学中のフィンランド人ラウラ(セイディ・ハーラ)がモスクワ発の寝台列車に乗る。彼女の目的は、世界最北端の駅ムルマンスクで古代の岩面彫刻を見ること。ところが客室で乗り合わせた若い労働者リョーハ(ユーリー・ボリソフ...
2023.2.10
5年で日本を3000キロ縦断 東北の震災で家族を失ったジャーマンシェパード犬の多聞(たもん)は、離れ離れになった大切な人に会うため5年の歳月をかけて日本を3000キロ縦断する。その途中で出会った人々は多聞と過ごす時間のなかで心が癒やされ人生に希望を見いだしていく。人と人とをつなげながら旅する多聞はどこへ向かっているのか――。 「ラーゲリより愛を込めて」にもクロという犬が 瀬々敬久監督、林民夫脚本と言えば「ラーゲリより愛を込めて」が記憶に新しい。戦後10年、ラーゲリ(収容所)で強制的に働かされた日本人たち。この生活はいつまで続くのか、果たして祖国に帰れる日は来るのか……と希望を見い...
PR東宝
2025.3.10
セックス、美、富というパワーゲームの中で利用されながらも、自らの幸せを勝ち取ろうと全力で奮闘する、ロシア系アメリカ人の若きストリップダンサーの生き方を通して描く現代のシンデレラストーリー。監督・脚本は全篇をiPhoneで撮影した「タンジェリン」(2015年)やアカデミー賞助演男優賞ノミネートの「フロリダ・プロジェクト 真夏の魔法」(17年)、カンヌ国際映画祭コンペティション部門出品作「レッド・ロケット」(21年)のショーン・ベイカー。主人公のアノーラ(愛称:アニー)を演じたのは、「ワンス・アポン・ア・タイム・イン・ハリウッド」(19年)や「スクリーム」(22年)のマイキー・マディソン。彼女に夢...
ユホ・クオスマネン 監督2作目にして 2021年のカンヌ国際映画祭グランプリを獲得した本作。 ロサ・リクソムの同名小説を原案にした雪深い北の街を舞台に描かれるロードムービー。 モスクワに留学中のフィンランド人学生ラウラ(セイディ・ハーラ)は、恋人の大学教授イリーナ(ディナーラ・ドルカーロワ)にドタキャンされ、古代ペトログリフを見に行く旅は急遽一人旅になる。寝台列車6号コンパートメントに乗り合わせたのは、炭鉱労働者の男リョーハ(ユーリー・ボリソフ)。粗野な振る舞いで、傷心のラウラにとって最悪な旅のはじまりとなるが、長い 旅を共にするうちに、お互いの不器用な優しさや魅力に気づいていく。 ...