NHKディレクター「劇場版 アナウンサーたちの戦争」
太平洋戦争直前から敗戦まで戦意高揚、国威発揚の放送を続けたラジオアナウンサーたちの苦悩や後悔を描く。昨年8月にNHKで放送されたドラマの映画版。和田(森田剛)と館野(高良健吾)は太平洋戦争開戦のニュースで国民を熱狂させるが、和田は次第に大本営発表を疑問視し、国家の宣伝者を自負する館野と対立する。一方彼らの同僚は、南方占領地に開設した放送局に赴任し、日本軍に都合のいい情報伝達に携わる。 言葉や声の力が人々を扇動し軍部と一体化していく恐ろしさを、NHKが自戒も込めて描いた。和田やその妻実枝子(橋本愛)らが葛藤しつつ、「電波戦」に傾倒した実態を伝える。現代の権力者はあらゆるメディアを駆使して情報を...
2024.8.16
太平洋戦争では、ラジオ放送による「電波戦」という戦いが日本軍の戦いを支えていた。ナチスのプロパガンダ戦に倣い「声の力」で戦意高揚・国威発揚を図り、偽情報で敵を混乱させた。そしてそれを行ったのは日本放送協会とそのアナウンサーたちだった。戦時中の彼らの活動を、事実を基に映像化し、アナウンサーたちの苦悩と葛藤、放送と戦争の知られざる関わりを描く。 太平洋戦争の始まりとなるラジオの開戦ニュースと終戦を伝える玉音放送。その両方に関わったのが 天才と呼ばれた和田信賢アナ(森田剛)と新進気鋭の館野守男アナ(高良健吾)だった。1941年12月8日、大本営からの開戦の第一報を和田が受け、それを館野が力強く読み...