「劇場版 アナウンサーたちの戦争」 人々を扇動する〝電波戦〟の実態
太平洋戦争直前から敗戦まで戦意高揚、国威発揚の放送を続けたラジオアナウンサーたちの苦悩や後悔を描く。昨年8月にNHKで放送されたドラマの映画版。和田(森田剛)と館野(高良健吾)は太平洋戦争開戦のニュースで国民を熱狂させるが、和田は次第に大本営発表を疑問視し、国家の宣伝者を自負する館野と対立する。一方彼らの同僚は、南方占領地に開設した放送局に赴任し、日本軍に都合のいい情報伝達に携わる。 言葉や声の力が人々を扇動し軍部と一体化していく恐ろしさを、NHKが自戒も込めて描いた。和田やその妻実枝子(橋本愛)らが葛藤しつつ、「電波戦」に傾倒した実態を伝える。現代の権力者はあらゆるメディアを駆使して情報を...