「春画先生」 性と生の美学を豊かな愛情と共に描く
春画研究者の芳賀一郎(内野聖陽)は、妻に先立たれても春画に没頭する日々を送っている変わり者。ある日、喫茶店で芳賀に出会った春野弓子(北香那)は春画に心を奪われ、芳賀に恋心を抱く。芳賀の担当編集者・辻村(柄本佑)や芳賀の亡き妻の姉・一葉(安達祐実)によって、芳賀と弓子は新たな愛の深みへといざなわれ、覚醒する。 春画にひたすらのめり込む芳賀と弓子がおかしく、辻村ら登場人物はみんな明るく、どこか艶っぽい。見ていくうちに、不思議と誰をも好きになってしまう。好きなものに心底熱中する姿に、すがすがしさがあふれている。弓子の好奇心とピュアな探求心が芳賀の心の奥を解放し、観客の内面までも軽い気分にしてくれる...